プロパー融資と保証協会融資の違いとは?銀行融資はどちらを利用すべき?

メガバンク

銀行融資には大きく分けて、信用保証協会の保証付融資とプロパー融資の2つの種類が存在します。

しかし、経営者の方の中にはプロパーと保証協会付融資の違いを分かっていない人も多いのではないでしょうか?

銀行と融資の取引をするのであれば、両者の違いをしっかりと認識して自社の業況に見合った借入方法を選択する必要があります。

プロパー融資と保証協会付融資の選択は銀行の都合に合わせて一方的に提案されることが多々ありますが、どのような時に銀行から融資提案を受けるのか理解しておきましょう。

銀行融資で利用されるプロパー融資と信用保証協会の保証付融資の違いについて詳しく解説していきます。

プロパー融資とは

10万円と銀行の通帳と印鑑

プロパーとは、「本来の」とか「正規の」「生え抜きの」などと言う意味です。

新卒からの社員を「プロパー社員」などと言いますが、「プロパー融資」とは、保証協会や保証会社をつけずに実行する融資という意味で、主な特徴としては以下のようなものがあります。

  1. 銀行がすべてリスクを背負って行う融資
  2. 担保や保証人が必要になる
  3. 一定以上の信用がないと利用できない
  4. 金利は格付けによって決定

プロパー融資とは、信用保証協会の保証をつけず、銀行が独自にリスクを背負い、金利を決定する融資ということができるでしょう。

プロパー融資の特徴について詳しく理解しておきましょう。

1,銀行がすべてリスクを背負って行う融資

プロパー融資は銀行がすべてのリスクを背負う融資です。

借主の業況悪化などによって万が一返済が履行されない場合には銀行が回収の全てを行い、デフォルトした場合には損失についても責任を負います。

銀行にとってはリスクを全て背負わなければならず、返済が滞った場合には不良債権化してしまうので、最もリスクの高い融資がプロパー融資であると言えるでしょう。

2,担保や保証人が必要になる

銀行が全てのリスクを背負うプロパー融資では、もしも返済が履行されなかった場合には、直接的に銀行に大きな損失になってしまうため、返済が滞った場合に備えて担保や連帯保証人などを要求することが一般的です。

返済ができない時に、回収に充てることができる担保や保証人を徴求しておくことによって、銀行も安心してプロパー融資を行うことができます。

よほど業況がよい企業でない限り、プロパー融資を無担保や保証人なしで借りることは難しいと考えた方がよいでしょう。

3,審査はかなり厳しい

プロパー融資は銀行にとっては非常にリスクが高い貸付です。

そのため、決算書などから「この会社へ融資しても回収にはまず問題ない」と判断されるような企業でないと融資を受けることは難しくなってしまいます。

「銀行からプロパー融資を借りることができるようになったら1人前」という言葉がありますが、まさに銀行がプロパー融資での貸付に対応してくれるというのは優良企業の証の1つでもあります。

プロパー融資は一定以上の信用がある優良な企業でないと借りることはできません。

4,金利は格付けによって決定

プロパー融資の金利は、あらかじめ決まっているわけではなく、当該企業の格付けに応じて決定するのが一般的です。

銀行は融資先企業に対する適用金利を例えば以下のように設定しています。

格付A:1.0%〜1.5%
格付B:1.6〜2.0%
格付C:2.1%〜3.0%

上記の金利はあくまでも例えですが、プロパー融資の場合には、このように格付によって適用される金利が決まっており、申込企業の格付に合わせて金利が決定します。

格付が高くなるほど金利は低くなるので、優良な企業ほど低金利の有利な条件で借入をすることが可能です。

逆に格付が低くなると適用金利は高金利になり、保証協会付融資の方が低金利で借りることができるケースもあります。

信用保証協会の保証付融資とは

融資を考える経営者イラスト

銀行融資で一般的に利用される融資として、プロパー融資と双璧を成しているのが、信用保証協会の保証付融資です。

プロパー融資が銀行がすべてのリスクを負うものであるのに対して、信用保証協会でリスクを負うのは信用保証協会です。

主な特徴として、以下の4点を挙げることができます。

  1. 信用保証協会の保証をつけるので銀行にリスクなし
  2. 原則的に担保や保証人は必要ない
  3. 審査は信用保証協会が行う
  4. 制度融資はすべての人に同じ金利が適用される

信用保証協会の保証付融資は銀行がリスクを負わないため、審査をするのは保証協会で、金利等もあらかじ決められているという特徴があります。

信用保証協会の保証付融資の4つの特徴について、詳しく解説していきます。

1,信用保証協会の保証をつけるので銀行にリスクなし

信用保証協会の保証付き融資は、もしも返済が滞った場合に信用保証協会が銀行に対して融資金の残金を立て替えて返済します。

そのため信用保証協会の保証付融資では銀行のリスクはありません。

銀行とすれば、いくら貸しても最終的なリスクを負う必要がないので、信用保証協会の保証付融資は積極的に推進しています。

特に、銀行にとっては海のものかもや山のものかも分からない、融資取引を新規で行う企業に対しては信用保証協会の保証をつけて融資をすることが一般的です。

2,原則的に担保や保証人は必要ない

信用保証協会の保証付融資に関しては、原則的に担保や連帯保証人は必要ありません。

信用保証協会の保証によって100%もしくは100%近くが信用保証協会が保証してくれるので、もしも返済が滞ったとしても、銀行とすればリスクがないためです。

プロパー融資においては有力な担保や連帯保証人を銀行へ提供することができる企業の方が審査で有利になる傾向がありますが、信用保証協会の保証付融資に関しては担保になる不動産があるなしに関わらず決算内容から平等な審査を受けることができます。

ただし、法人で借りる場合には代表者が連帯保証人にならなければなりませんし、設備資金を借りる場合には当該設備を担保に入れる必要があります。

これ以外については信用保証協会の保証付融資で担保や連帯保証人が要求されることはありません。

3,審査は信用保証協会が行う

信用保証協会の保証付融資で、実質的に審査を行なっているのは信用保証協会です。


信用保証協会の保証付融資で最終的なリスクを負っているのは保証協会になるので、信用保証協会が「保証を行なっても問題ないかどうか」ということを審査し、銀行は信用保証協会の保証が得られればリスクがないので、実質的に審査を行っているのは信用保証協会です。


銀行審査で行われていることは、書類の内容確認などの確認作業だけになるので、信用保証協会の保証付融資で「お金を貸しても問題ないかどうか」という本来的な審査をしているのは銀行ではなく信用保証協会で、銀行は信用保証協会の保証さえつけば融資を実行すると言っても過言ではないでしょう。

4,制度融資はすべての人に同じ金利が適用される

地方自治体が提供している制度融資は、地方自治体が融資をするわけではなく信用保証協会の保証付融資の延長線上にあります。

  • 地方自治体:保証料/利息を補助
  • 信用保証協会:保証
  • 銀行:融資

というように、3者がそれぞれの役割を分担した融資制度です。

制度融資は地方自治体や地域の経済関係の人間が話し合いを行い、金利や融資限度額などの条件を決定しています。

そのため、どのような企業であれ、制度融資の審査に通過すれば同じ条件で融資を受けることができます。

業況がいい企業も、悪い企業も、大企業も小規模企業も同じ条件で融資を受けることでき、格付によって金利が決定するプロパー融資とは対照的です。

プロパー融資と信用保証協会はどのように使い分ければ良いか?

使い分ける道筋イラスト

プロパー融資と信用保証協会の保証付融資はどのように使い分けるべきでしょうか?

結論的にいうと、よほどの優良企業でない限り、両者を使い分けることは不可能です。

基本的には銀行の提案に基づき、銀行が提案した融資を借りるしかありませんが、おかしな提案をする銀行には要注意です。

どのような時に銀行がどのような融資を提案するのか詳しく解説していきます。

プロパー融資の借入は難しい

大前提として、プロパー融資と信用保証協会の保証付融資は、例え金利が同じでも借入できるかどうかの難易度は全く異なります。

銀行がすべてのリスクを背負うプロパー融資はどんな企業でも借りることができるわけではありません。

プロパー融資は銀行にとって一定以上の信用がある企業しか借りることができない特別な融資です。

そのため、銀行にとって信用もない企業が「プロパー融資で借りたい」と希望したとしても、借入ができる可能性は非常に低いと言えるでしょう。

金利は同じくらいでもプロパー融資の方が信用保証協会の保証付融資よりも審査難易度はかなり厳しくなると、まずは理解しておきましょう。

最初は信用保証協会融資

銀行から最初に事業資金融資を受けるときには、まず信用保証協会の保証付融資を借りるのが鉄則です。

信用保証協会の保証を付けて融資をするので、銀行にリスクがありません。

そのため、銀行が新規顧客へ融資をする際には信用保証協会の保証付融資を利用するのが一般的です。

銀行と融資取引をする際はまずは信用保証協会の保証付融資を借りるものだと理解しておきましょう。

信頼がついたらプロパー融資へ

何回か信用保証協会の保証付融資を借りていて、業況が安定してきた後に銀行のプロパー融資を利用できるようになることがあります。

プロパー融資は銀行と一定期間付き合いを継続して、銀行からの評価が高まり、決算内容が良好になった時に初めて利用することができるものと理解しておきましょう。

銀行からプロパー借入の提案が来たら

銀行からプロパー借入の提案が来たら、自社が一定の信頼を銀行から得られるようになったと考えて問題ないでしょう。

ただし、プロパー融資だと考えて飛びつくのは早すぎです。

プロパー融資は格付けによって金利が決定するので、信用保証協会の保証付融資よりも金利が高くなってしまうことや、担保設定を要求されることもあります。

プロパー融資の提案が銀行から来ることは一定の信用であることは間違いありませんが、借入の前にしっかりと融資条件等を確認しておくようにしましょう。

プロパー融資を保証協会融資へ借り換え提案をする銀行はNG

銀行の中には既存のプロパー融資を信用保証協会の保証付融資へ借り換えるよう提案してくる所も存在します。

これは、一時期社会問題になった行為ですので、このような提案をする銀行と付き合わない方が無難です。

保証協会の保証付融資へ借り換えてしまえば確かに銀行のリスクはゼロになりますが、顧客は保証料等を負担しなければなりません。

このような銀行の都合のために顧客に保証料や利息を負担させる行為は一般論として悪質な行為とされているので、このような提案をする銀行との取引は再検討した方がよいでしょう。

まとめ

在宅ワーク

銀行融資にはプロパー融資と信用保証協会の保証付融資が存在します。

プロパー融資は銀行がすべてのリスクを背負う融資であるため銀行からよほど信用がある企業でないと借りることはできません。

信用保証協会の保証付融資は信用保証協会がリスクを背負うため、初めて銀行からお金を借りる企業でも借りることができます。

基本的に自分から「プロパーで借りたい」と希望しても、希望が叶えられることは難しいのが実情です。

銀行からプロパー融資の提案があったときには自社の信用も向上してきたと考えるのと同時に、プロパー融資と信用保証協会の保証付き融資のどちらが会社にとって得になるのかを冷静に検討するようにしましょう。