ファクタリングの仕訳・会計処理の基本方法を解説

2019-08-02

ファクタリングを会計処理する

ファクタリングを利用した際の仕訳方法、手数料の勘定項目から会計処理の基本を分かりやすく解説して参ります。

またファクタリングの隠れたメリットであるオフバランス化についても、ご紹介して参ります。

・ファクタリングの会計処理が分からない
・ファクタリングを活用して企業評価を高める方法を知りたい

という方は是非ともご参考にしてください。

ファクタリングの仕訳方法・会計処理の基本事項

お金が入った瓶

まずはファクタリングの仕訳方法や、勘定項目など、会計処理を行う上での基本事項を解説して参ります。

基本事項を理解しておけば、ファクタリングの仕訳は簡単です。

まずは以下の点を押さえておきましょう。

ファクタリング会計処理の基本

・ファクタリング手数料は「売上債権売却損」で計上する
・ファクタリング取引で消費税は非課税
・ファクタリングをすることにより、オフバランス化が可能

売掛金など金融資産を譲渡・売却する際の会計処理は、時価で資産を計上する必要があります。

ただ売掛債権は時価を算出することができないため、代わりに時価は0として譲渡損益を計上するようにしてください。

なおファクタリングには買取手数料がかかるため、譲渡して利益が出ることはありません。

そのため「譲渡損」として計上し、「売上債権売却損」の勘定項目が適用されます。

勘定項目は割引料でもOK

なおファクタリングと手形割引は似たような性質を持つため、勘定項目は「売上債権売却損」の代わりに「割引料」で計上しても構いません。

ただファクタリングと手形割引との区別を図るため、「売上債権売却損」での形状がお勧めです。

一般的にはファクタリングを利用した事実を隠したいという場合に、「割引料」を計上するケースが多いようです。

消費税は非課税、計上の必要無し

通常の掛取引の場合、基本的には消費税が発生します。

一方でファクタリングは非課税取引の対象である「有価証券などの譲渡」に当たるため、消費税の計上は不要です。

ただ元々の売掛債権に関しては、課税取引になるため注意が必要です。

ファクタリングの具体的な仕訳・会計処理

それではファクタリングを利用した場合の仕訳方法・会計処理について具体的に解説して参ります。

なお売掛債権は100万円、手数料は15%でのファクタリングで契約との仮定です。

①売上発生の仕訳方法・会計処理

まず売上が発生した際の仕訳方法と会計処理は以下の通りです。

借方金額貸方金額
売掛金100万円売上100万円

取引先から売掛金の入金があった場合には、次のようになります。

借方金額貸方金額
普通預金100万円売掛金100万円

これらに関しては、通常の会計処理と同じです。

②ファクタリングにより債権譲渡をした際の仕訳

続いてファクタリング契約を行い、ファクタリング会社に売掛債権を売却した際の仕訳は以下の通りになります。

借方金額貸方金額
未収金100万円売掛金100万円

未収金とは、通常の営業取引以外で生じた金銭債権を処理するための勘定項目です。

売掛金と混同してしまいがちですが、売掛金は本業の売上の代金を後から受け取る場合に使います。

未収金は商品や製品以外のもの(=通常の営業取引以外)を売却した場合に用います。

③ファクタリング会社から買取代金が支払われた際の仕訳

続いてファクタリング会社から売掛債権の買取代金が支払われた際の仕訳は以下の通りとなります。

借方金額貸方金額
普通預金90万円未収金100万円
売上債権売却損10万円

前述の通りファクタリング手数料の10%分は、「売上債権売却損」として計上するようにしてください。

以上がファクタリングを利用した場合の仕訳方法・会計処理となります。

実際に計上する際には、売却した売掛債権の金額、手数料に合わせて金額を変更してください。

ファクタリングでオフバランス化が可能!

電卓で簿記の計算

ファクタリングの仕訳方法を見てお分かりの通り、ファクタリングをすることでオフバランス化ができるというメリットがあります。

オフバランス化とは…

オフバランス化とは、貸借対照表に計上される資産や取引などが記載されない状態のこと。資産効率の改善などができ、企業価値が上がる。銀行からの評価が高まるなどのメリットがある。

オフバランス化をより簡単に言ってしまえば、バランスシート上の資産を「資産の部から外す」ことを指します。

オフバランス化の仕組み

売掛債権はバランスシート上は流動資産に分類されます。

ファクタリングには手数料がかかるため、その分利益は少なくなってしまいます。

その結果、総資産額が減少することになります。

総資産額が減少すると、

ROA(%)=当期純利益÷総資産×100

で求められる総資産利益率の数値が高くなります(分母が小さくなるため)。

ROAが高いということは、少ない資産で多くの利益を上げたということで、資本に対して効率よく利益を上げていることを表します。

総資産利益率(ROA)が上がると…

総資産利益率(ROA)が高くなると、次のようなメリットがあります。

上場企業の場合

総資産利益率(ROA)が上がる→株価上昇→企業価値が高くなる

未上場企業の場合

総資産利益率(ROA)が上がる→会社の評価が高くなる→銀行融資に有利に働く

またファクタリングを利用すれば、総資産利益率(ROA)だけでなく自己資本比率も高くなります(分母の総資本が小さくなるため)。

まとめ

電卓とペン

記事の冒頭でも述べたとおり、ファクタリング会計処理の基本としては、以下を押さえておけば大丈夫です。

ファクタリング会計処理の基本

・ファクタリング手数料は「売上債権売却損」で計上する
・ファクタリング取引で消費税は非課税
・ファクタリングをすることにより、オフバランス化が可能

基本さえ分かってしまえば、別段難しいものではありません。

また近年、多くの企業が取り組んでいるオフバランスに関しても、ファクタリングをすることによって実現可能です。

銀行融資を受けられない中小企業の経営者の方にとって、審査不要で資金調達ができ、なおかつ銀行からの評価も高めてくれるファクタリングは多くの注目を集めています。