【ファクタリングとビジネスローン】2つの資金調達方法を徹底比較

ファクタリングとビジネスローンはどちらも中小企業〜個人事業主の方にとって有力な資金調達方法です。
本記事では、
「ファクタリングとビジネスローン、どちらを利用すべきか分からない…」
「ファクタリングとビジネスローンの金利や調達スピードなどを比較したい」
「ファクタリングとビジネスローンのメリット・デメリットを検討したい」
というお悩みをお持ちの方のために、ビジネスローンとファクタリングの特徴やメリット・デメリット、それぞれの利用ケースを比較し解説してまいります。
ビジネスローンとは?
ビジネスローンとは、主にノンバンク系の金融機関が提供している事業者向けの融資サービスです。
ビジネスローンは銀行融資に比べて審査スピードが速く、担保や保証人が不要という特徴があります。
融資額は300万円から500万円程度で、金融機関によっては1000万円まで借入をすることができます。
反面、融資金利は銀行融資によりも高めに設定されているのでご注意ください。
中小企業や個人事業主の方にとって、ビジネスローンは有力な資金調達法です。
ファクタリングとは?
一方のファクタリングとは、事業者が有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで資金調達をする方法のことです。
ファクタリングは融資ではなく、ご利用にあたって審査が厳しくありません。
赤字決算、債務超過で融資審査に落ちてしまう事業者の方でも問題なく利用することができます。
ファクタリングは「借りない資金調達法」と呼ばれ、近年、中小企業〜個人事業主の方から多くの注目を集めている資金調達方法です。
ファクタリングとビジネスローンを徹底比較!


ファクタリングとビジネスローンはどちらも中小企業〜個人事業主の方にとって有力な資金調達法です。
ファクタリングとビジネスローンのどちらを利用すべきか、迷われている方も多いでしょう。
そこで次にファクタリングとビジネスローンの違いやメリット・デメリットなどを項目別に比較し解説していきます。
①手数料・金利
ファクタリング | ビジネスローン |
5%~25%(手数料) | 5%~15%(金利) |
ビジネスローンは銀行融資よりも金利が高く、およそ10%前後の金利がかかります。
一方のファクタリングは2社間取引と3社間取引で手数料が異なりますが、5%から25%の手数料がかかります。
なおファクタリングの手数料は1ヶ月分の売掛債権にかかるものです。
ビジネスローンと足並みを揃えるため1年分の金利に換算すると、非常に高金利となってしまいます。
低い手数料・金利で資金調達をしたい、とお考えの際にはファクタリングよりもビジネスローンをご利用したほうがいいでしょう。
②調達スピードを比較
ファクタリング | ビジネスローン |
最短即日〜3日程度 | 最短即日(1時間程度) |
ファクタリングとビジネスローン、どちらも最短即日で資金調達をすることができます。
銀行融資に比べると格段に調達スピードが速いため、急場の資金繰り時にはどちらも有効な資金調達法です。
ただビジネスローンの場合、自動スコアリングシステムにより申し込みから10分前後で審査結果が明示され、そのまま借入をすることができます。
一方でファクタリングの場合は提出書類が多く、売掛先の信用情報の審査などが行われるため、実際に振り込みがあるのは数日後になってしまう可能性もあります。
ファクタリングとビジネスローン、どちらも調達スピードが魅力ですが、より速く資金調達ができるのはビジネスローンの方です。
③審査の有無を比較
ファクタリング | ビジネスローン |
審査なし | 審査あり |
ビジネスローンは融資ですので、ご利用の際には信用情報や業績などが審査されます。
審査に通れば調達スピードは速いものの、確実に資金調達ができるとは限らず、業績や借入状況によっては審査落ちになってしまいます。
一方のファクタリングは、借入ではありません。
ファクタリングの審査で重要視されるのは「売掛金の回収リスク」であり、取引先の信用力が主な審査対象です。
支払い滞納などがない売掛債権を有していれば、赤字決算・税金滞納でも問題なく資金調達をすることができます。
自社の信用情報に不安があり、審査に通るか不明な場合はファクタリングのご利用がオススメです。
④信用情報への記録
ファクタリング | ビジネスローン |
記録されない | 記録される |
ビジネスローンは借入ですので、ご利用状況や借入額は信用情報に記録されます。
またノンバンク系のビジネスローンを利用すると、「信用力が低い」と判断されてしまう可能性もあります。
したがってビジネスローンで借入をすると、自社の信用情報が低くなり将来的な銀行融資の審査の際に不利に働いてしまうと考えられます。
一方のファクタリングは、借入ではありませんので審査がなく、利用状況が信用情報に記録されることもありません。
銀行融資のご利用の際に影響があることはなく、銀行融資とファクタリングを同時に利用することも可能です。
⑤銀行からの評価
ファクタリング | ビジネスローン |
良くなる | 悪くなる |
前述の通り、ビジネスローンを利用すると借入となるため、銀行からのスコアリング評価は悪くなってしまいます。
一方でファクタリングで売掛債権を売却すると、オフバランス化によって貸借対照表がスリムになります。
バランスシートの総資産を減らすこと、利益は変わらないので純資産利益率(ROA)などの指標が向上する
ファクタリングを利用することにより、企業価値が上がり結果的に銀行からの評価が高まることが期待できます。
将来的な銀行融資をお考えの際には、ビジネスローンよりもファクタリングのご利用がオススメです。
⑥担保・保証人の必要性を比較
ファクタリング | ビジネスローン |
不要 | 不要なことが多い |
繰り返しですが、ファクタリングは融資ではないため、ご利用の際に担保や保証人は不要です。
一方でビジネスローンも、担保や保証人を不要としていることが大半です。
担保や保証人を用意できない、という場合にはファクタリングもビジネスローンも有力な選択肢となります。
⑦調達可能金額を比較
ファクタリング | ビジネスローン |
売掛債権の金額×80%程度 | 300万円~500万円程度 |
ビジネスローンの限度額は金融機関によって差がありますが、300万円~500万円程度が一般的です。
もちろん申し込み者の信用情報、業績によって左右されますので金融機関のwebサイトを確認してみてください。
一方のファクタリングは、売掛債権を売却して資金調達をするという方法ですので、調達可能金額は売掛金の金額に依拠します。
またファクタリング会社は売掛債権の全額を買い取ってくれるわけではなく、掛け目が存在します。
大口の売掛債権をお持ちであれば構いませんが、100万円単位の資金調達を検討されているのであれば、ビジネスローンのご利用がオススメです。
掛け目は60%~80%前後で、取引先の信用情報などによって上下します。
ただファクタリングでは複数の売掛債権を売却することもできるため、ファクタリングでも大きな額の資金調達をすることは不可能ではありません。
ファクタリングとビジネスローンのメリット・デメリット


ファクタリングとビジネスローンの違いやそれぞれの特徴について、解説してまいりました。
続いて上記を参考に、ファクタリングとビジネスローンのそれぞれのメリットやデメリットをまとめてみましょう。
まずはビジネスローンのメリットを解説します。
◉金利が安い
(ファクタリングと比べた場合・銀行融資よりは高い)
◉最短即日で資金調達ができる
◉担保や保証人が不要
◉資金調達金額が大きい
一方でファクタリングのメリットは以下の通りです。
◉審査がほぼない
◉信用情報に記録されない
◉銀行からの評価が上がる
◉資担保や保証人が不要
続いてデメリットについても検証してみます。
◉審査がある
◉信用情報に記録される
◉銀行からの評価が下がる
ファクタリングのデメリットは以下の通りです。
◉手数料が高い
◉調達可能金額が少ない
◉資金調達までに時間がかかる
(ビジネスローンと比べると)
ファクタリングとビジネスローンのまとめ
ファクタリングとビジネスローンはどちらも中小企業〜個人事業主の方にとって有力な資金調達方法です。
ただそれぞれ審査の有無や調達金額、手数料・金利など異なりますので、ご利用の際には両者を比較・検討しどちらが適切かどうかを判断するようにしてください。
最後に簡易的にですが、ファクタリングとビジネスローンの利用ケースをご紹介します。
どちらを利用すべきか判断に迷われた際には、ご参考にしてください。
◉今すぐに資金調達をしたい
◉まとまった金額の資金が必要
◉売掛債権を有していない
◉赤字決算や債務超過など、信用情報に不安がある
◉融資を利用したくない
◉銀行からの評価を上げたい・将来的に銀行融資の利用を考えている
ビジネスローンとファクタリング、どちらが明確に優れていると、断定することはできません。
ご自身の経営状況に合わせて、適切な方をご利用しましょう。