売上債権の回収に一役買ってくれる「ファクタリング」ってどういうもの?

2019-08-12

売上債権の回収に一役買ってくれる「ファクタリング」ってどういうもの?

トラブルになりやすい売上債権の回収は企業にとっての永遠の課題です。これを解決する手段として今注目されているのが「ファクタリング」と呼ばれる制度です。

今回は、ファクタリングの仕組みや買取型ファクタリングと保証型ファクタリングとの違い、利用に際するメリット・デメリットついて解説していきます。

「ファクタリング」とはどういうものでしょうか?

ファクタリング」とは、企業が持っている売上債権をファクタリング業者に売ることで、早期に資金を手に入れることができる仕組みのことです。

ただ、この説明では少々わかりづらいかと思います。一般的なサラリーマンの場合に置き換えて考えてみれば理解しやすいかもしれません。

たとえば、毎月月末に給料が振り込まれるAさんがいたとして、諸事情によりそれまでにどうしてもお金がほしいとします。

この場合、Aさんには月末に給料を受け取る権利がありますので、その権利を業者に売ることで給料分のお金を先に受け取ることができるということです。そして、月末になり正規で受け取った給料を業者に返します。

もちろん正式には異なりますが、“業者を介して給料の「前借り」を行う”というイメージでおおまかに概要を把握していただいて構わないと思います。

これが、個人単位ではなく企業単位で行われるのです。ファクタリングには2種類あります

企業がファクタリングを行う理由はさまざまですが、その用途に合わせて大きく2種類のファクタリングに分けられます。

買取型ファクタリングと、保証型ファクタリングです。

買取型ファクタリングの概要について

買取型ファクタリングとは、企業が売上債権を早期に現金化したい場合に使われるファクタリングのことです。上記で説明したやり取りが行われるのが、この買取型ファクタリングだと覚えておきましょう。

売上債権をファクタリングサービス企業に売り、各企業ごとに設定されている手数料を差し引かれた金額を受け取ることができます。

銀行から融資を受け取る場合とは異なり、売上債権先(=債務者側)の信用力が審査の対象となるため、こちら側(=債権者側)から担保の提供などを行う必要はありません。そのため、中小企業でも審査に通りやすいというメリットがあります。

保証型ファクタリングの概要について

保証型ファクタリングは、買取型ファクタリングとは違いって直接的な資金の調達を目的としていません。具体的には、債務者側の支払い能力に不安がある場合に、売上債権を踏み倒されたりしないように保険としてファクタリングを行います。

万一、取引先が倒産するなどでお金(=売掛債権)が回収できなくなった場合、保証型ファクタリングを行うことで保証会社が保証金を支払ってくれるという仕組みです。

ファクタリング企業が債務者側の信用調査を行って保証の枠を決め、その枠内の金額であれば、売上債権の保証を行ってくれます。

ファクタリングを使うメリット・デメリットは何でしょうか?

ここまでの説明で、ファクタリングは売上債権の早期現金化に非常に有用であるように感じますが、当然メリットだけでなくデメリットも存在します。そこで、ファクタリングのメリット・デメリットについて簡単にまとめてきましょう。

ファクタリングのメリットについて

・売上債権の早期現金化(買取型ファクタリング)
・売上債権先の財務状況が悪化し、仮に支払い日前に倒産してしまった場合でも支払い漏れのリスクが発生しない(保証型ファクタリング)
・事業運営に使用している資産や負債でも、貸借対照表(バランスシート)に計上されることがない
ファクタリングのデメリットについて
・売上債権の金額の範囲内のみでしか現金化できないため、それ以上のお金が必要な際はやはり銀行などで融資を募った方がよい
・ファクタリングはあくまでも「前借り」的な制度なので、そもそも売掛金がないといけない
・ファクタリング企業への手数料分、本来債務者から受け取ることができる金額より少なくなる
・「3社間ファクタリング」を行う場合は、売上債権先企業の承諾が必要となる

まとめ

ここまでファクタリングについて説明してきましたが、仕組みについてきちんとご理解いただけましたでしょうか。さいごに、もう一度ファクタリングについてまとめておきましょう。

・ファクタリングとは、本来取引先の企業から受け取るはずの売掛金を、ファクタリング企業を介して「前借り」することができる仕組みのこと

・買取型ファクタリングと保証型ファクタリングの2通りがあり、前者は早期に現金がほしい場合、後者は取引先の支払い能力に不安がある場合の保険として用いることができる

・売上債権をファクタリング企業に売却するため、そもそもお金をもらう予定がないとファクタリングを使用することはできない

・重要なのは債務者側の支払い能力のみなので、こちら側に担保の提供などの信用条件は必要ない

・ファクタリング企業の支払う手数料がかかるため、本来債務者から受け取れる金額よりは少なくなる

ファクタリングを使用することで早期に現金を得ることができるため、緊急のキャッシュフローの不備の際などに利用できるなどメリットも非常に大きいです。上手に活用して資金繰りを円滑に行いましょう。