ファクタリングと融資の5つの違いを解説していきます

ファクタリングと銀行融資、どちらも外部からの資金調達方法ですが、両者は「審査」「資金調達コスト」「スピード」「財務上の効果」「回収・返済」という主に5つの観点で非常に大きく異なります。

そのため、銀行融資とファクタリングを使い分けることで、会社の資金繰りが非常に機動的になります。

資金調達チャネルを増やすためにも、銀行融資とファクタリングの違いを理解し、適切に使い分けるようにしましょう。

ファクタリングと銀行融資の違いを5つの観点から徹底解説していきます。

ファクタリングとは?

クエスチョンキー

まず、ファクタリングについての基本を解説していきます。

ファクタリングには主に以下の4つの特徴があります。

  1. 借入ではなく売掛債権の売却
  2. 期日前の売掛債権を早期資金化できる
  3. 売掛債権の回収リスクも売却できる
  4. 2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがある

ファクタリングの4つの特徴についてまずは理解していきましょう。

1,借入ではなく売掛債権の売却

ファクタリングは売掛債権の売却です。

自社が持っている売掛金などをファクタリング会社へ売却して、期日よりも先に早期資金化する資金調達方法です。

例えば、自社がA社に対して翌月末払いの100万円の売掛債権を保有していた場合には、この売掛債権をファクタリングすることで、自社は翌月末を待たずに売掛債権代金を手に入れることができます。

ファクタリング会社は売掛債権期日にA社から代金100万円の支払いを受けて回収します。

売掛債権という資産をファクタリング会社へ売却しているだけですので、ファクタリングは借入ではありません。

2,期日前の売掛債権を早期資金化できる

ファクタリングは売掛債権の売却です。

期日が到来する前の売掛債権を売却することによって期日を待たずに早期に資金化することができます。

せっかく売上があったとしても、日本の商慣習では2ヶ月〜3ヶ月程度待たなければ入金になりません。

この間、手元に資金がなければ会社を運転していくことが困難ですが、ファクタリングであれば売掛債権の期日を待たずに売掛債権を資金化することができるので、売上発生と入金までの時間的なズレである資金ギャップを改善することができ、企業の資金繰りは円滑になります。

3,売掛債権の回収リスクも売却できる

ファクタリングでは売掛債権の回収リスクも売却することができます。

つまり、ファクタリングを行なった後に売掛先が倒産などによって代金を支払うことができなかった場合でも、その損失はファクタリング会社が背負い、自社には影響はありません。

ここがファクタリングの最も大きな特徴です。

同じく売掛債権を資金化する銀行借入である手形割引やABLという融資では、担保になっている売掛債権が回収不能になった場合には、自社がその損失を負わなければなりませんが、ファクタリングの場合には回収リスクまで売却することができるので自社は損失を負う必要はありません。

4,2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがある

ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。

2社間ファクタリングとは、自社とファクタリング会社だけの契約で、売掛先に秘密でファクタリングすることができます。

3社間ファクタリングとは、自社と売掛先とファクタリング会社が3社で行う契約で、売掛先の同意を得た上でファクタリングを行います。

2社間ファクタリングは売掛先に秘密にすることができ売掛先の同意を得る時間がかからないので、資金化までの時間が早くなりますが、その分手数料が高くなってしまいます。

3社間ファクタリングは手数料は2社間ファクタリングよりも安くなりますが売掛先の同意が必要で、同意を得るための時間がかかるので2社間ファクタリングよりも資金化までに時間がかかってしまいます。

ファクタリングと銀行融資の審査の違い

プレゼンテーションを行う実業家

ファクタリングと銀行融資は審査の基準は大きく異なり、正反対と言っても過言ではありません。

具体的には以下のポイントで審査基準が大きく異なります。

  • 売掛先の信用で資金調達できるか
  • 自社の信用で資金調達できるか
  • 税金滞納時に資金調達できるか

ファクタリングと銀行融資の審査のポイントについて詳しく解説していきます。

ファクタリングは売掛先の信用で審査を受けられる

ファクタリングの審査で最も重要になるのは売掛先企業の信用です。

売掛債権の売却であるファクタリングは、ファクタリング会社へ支払いをするのは自社ではなく売掛先企業になるためです。

そのため、売掛先企業に信頼があると判断されれば審査に通過できる可能性が高くなりますし、売掛先企業に信頼がないと判断されてしまうと審査に通過できないこともあります。

自社ではなく売掛先企業の信頼で審査を受けることができるので、銀行融資に通過できないような信用度の低い企業でも、優良企業の売掛債権を持っていれば審査に通過して資金調達することができる可能性があります。

融資は自社の信用で審査を受ける

融資の場合、審査対象となるのは自社の信用です。

自社が赤字や債務超過の場合には、いかに優良企業を取引先に抱えていても審査に通過することは厳しくなってしまいます。

ファクタリングは税金滞納時でも審査通過可能

銀行融資では税金を滞納していると審査に通過することはできません。

一方、ほとんどのファクタリング会社の審査では、納税証明書の提出が必要ないので、税金を滞納していても審査に通過できる場合があります。

税金を滞納してしまった場合には、ファクタリングによって資金調達して税金の滞納を解消しましょう。

ファクタリングと銀行融資のコストの違い

コストの違い

ファクタリングと銀行融資は資金調達コストも大きく異なります。

銀行融資は資金調達に必要なコストが安く、ファクタリングは資金調達コストが非常に高くなります。

ファクタリングと銀行融資では資金調達コストはどのくらいことなるのでしょうか?

計算を行いながら詳しく解説していきます。

銀行融資の金利は2%〜5%程度

銀行融資の金利は2%〜5%程度とそれほど高額ではありません。

格付けや商品によるものの、基本的には高くなっても5%程度で、制度融資などの低金利商品を借りる場合には2%程度の低い金利で借りることができます。

例えば100万円を金利5%で3ヶ月間(90日)借りた場合には、100万円×5%÷365日×90日=12,329円の利息になります。

金利は年利なので、実際に利用した日数分で按分して利息を計算します。

ファクタリングのコストは高い

ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングであれば10%〜20%程度、3社間ファクタリングであれば2%〜10%程度というのが相場です。

ファクタリングは銀行融資よりも圧倒的に高い手数料率を負担しなければなりません。

また、いくら短期間での利用でも、日割りで計算するようなことはありませんので、手数料は売掛債権金額×手数料率で計算します。

例えば100万円を手数料率5%でファクタリングした場合には100万円×5%=50,000円なります。

同じ5%という利率でもファクタリングと融資では資金調達コストが大きく異なります。

ファクタリングは売掛先の与信で資金調達することができるものの、融資と比較してコストは非常に高くなってしまいます。

ファクタリングと銀行融資の入金速度の違い

入金スピードのイラスト

企業経営者にとって最も重要なファクタリングと銀行融資の違いが「入金までのスピード」です。

ファクタリングは最短即日で資金調達できますが、銀行融資は入金までに時間がかかってしまいます。

ファクタリングと銀行融資は、この入金までのスピードを理解して適切に使い分けるのが最適です。

ファククタリングと銀行融資それぞれの入金までのスピードを具体的に解説していきます。

2社間ファクタリングは最短即日資金化

2社間ファクタリングはファクタリング会社と自社だけの契約で、ファクタリング会社が売掛先と自社の審査を行い、自社とファクタリング会社が契約締結をすれば契約完了です。

手続きが非常に簡素ですので、最短即日で振込を受けることができます。

なお、3社間ファクタリングの場合には売掛先とファクタリング会社が契約する手間がかかるので1週間程度の時間がかかってしまいます。

「急いでお金が必要」という時には2社間ファクタリングに申し込むようにしましょう。

銀行融資は2週間程度

一方、銀行融資は申し込みから融資まで2週間程度の時間が必要になってしまいます。

一般的に中小企業に対する融資は信用保証協会の保証をつけますが、信用保証協会の保証付融資の場合には、信用保証協会と銀行の審査がそれぞれ行われるので審査に時間がかかってしまいます。

いくら早くても1週間、平均的には申し込みから融資を受けることができるようになるまでに2週間程度の時間がかかってしまうと理解しておきましょう。

ファクタリングと銀行融資の決算書の表示の違い

決算書の表示の違い

ファクタリングと銀行融資では利用した後に決算書に表示される内容も異なります。

銀行融資は負債ですが、ファクタリングは借入金ではないので貸借対照表には何も表示されません。

むしろ貸借対照表を良化させる効果があります。

それぞれ決算書にどのように表示されるのか、解説していきます。

銀行融資は貸借対照表の負債になる

銀行融資を受けた場合には、借入金という負債が発生します。

例えば、銀行から100万円借りた場合には、現金という資産が100万円増えて、借入金という負債も100万円貸借対照表に増えることになります。

資産も負債も100万円ずつ増えるので、貸借対照表は借りた分だけ大きくなってしまいます。

また、「借金が増える」ことになるので、自社の決算書の見た目が悪くなってしまうというデメリットもあります。

ファクタリングは貸借対照表のオフバランス化に

ファクタリングは借入金ではないので、貸借対照表はほとんど動きません。

例えば100万円の売掛金をファクタリングした場合には、100万円の売掛金が現金に変わっただけで、行われていることは資産と資産の交換です。

借入金によって資金調達した時のように、貸借対照表が大きくなることはありません。

今は、できる限り不要な資産も負債も持たずにコンパクトな経営をするオフバランス化が評価される時代です。

借入金よりもファクタリングの方がオフバランス化になるので、ファクタリングによる資金調達の方が外部から評価されやすくなる傾向があるでしょう。

ファクタリングと銀行融資の回収(返済)の違い

返済を考えるイラスト

ファクタリングと銀行融資は回収(返済)方法も異なります。

多くの人がご存知のように、銀行融資は自分で返済しなければなりませんが、ファクタリングは売掛先がファクタリング会社へ返済するので自社で何もする必要は基本的にありません。

ファクタリングと銀行融資の回収(返済)に関する違いについても詳しく解説していきます。

銀行融資は一括もしくは分割返済

銀行融資は、一括返済もしくは分割返済しなければなりません。

どのように返済していくのかは契約によって異なりますが、自社が自社のお金から銀行へ返済していかなければならないというのが基本です。

ファクタリングで返済するのは売掛先企業

ファクタリングでファクタリング会社へ売掛債権期日に返済するのは売掛先企業です。

自社は「売掛先から代金を受け取る権利」をファクタリング会社へ売却してしまっているので、基本的に返済に関与することはありません。

ただし、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで返済方法が以下のように異なります。

  • 2社間ファクタリング:売掛先は自社へ代金を振り込む。自社がその代金をファクタリング会社へスライドさせる形で返済する
  • 3社間ファクタリング:売掛先企業が直接ファクタリング会社へ支払う


売掛先に秘密でファクタリングする2社間ファクタリングでは、売掛先はファクタリングの事実を知らないので自社へ代金を振り込み、自社がファクタリング会社へ送金します。

2社間ファクタリングでは自社に資金が経由することから、資金流用や持ち逃げのリスクがあるため、3社間ファクタリングよりも手数料が高く設定されています。

一方、3社間ファクタリングでは、自社に資金は経由しません。あらかじめ売掛先企業の同意の元にファクタリングされるので、売掛先は直接ファクタリング会社へ支払います。

2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が確実に回収できるので3社間ファクタリングの手数料は低くなっています。

いずれにせよ、ファクタリングにおいて返済するのは自社のお金ではなく、売掛先企業のお金という特徴があります。

まとめ

庭に置かれた椅子

ファクタリングは借入ではなく売掛債権の売却です。

銀行融資とは以下のような違いがあります。

  • 審査対象が自社か売掛先か
  • 資金調達コスト
  • 入金までのスピード
  • 決算書の表示
  • 回収方法

ファクタリングは手数料は高いが最短即日で資金調達でき、審査は銀行融資よりも甘く、売掛先の与信で資金調達することができるという特徴があります。

急いでお金が必要な時や、銀行融資の審査に落ちてしまった時などに活用することができるので、銀行融資とは別の資金調達手段として頭に入れておきましょう。