医療ファクタリングの仕組みやメリットから活用方法を解説

医療機関向けのファクタリングサービスである医療ファクタリングとは何か、仕組みからメリット、注意点まで詳しく解説していきます。
医療ファクタリングによる資金調達をお考えの際には、本記事をご参考にしてください。
医療ファクタリングとは


医療ファクタリングとは、医療機関向けのファクタリングサービスのことです。
具体的には、社保や国保から支払われる診療報酬債権をファクタリング会社に売却することで、支払い期日前に売掛金を現金化して資金調達をすることを指します。
医療ファクタリングの特徴は、対象となる債権が診療報酬債権であることと利用できる企業が医療機関であるという2つです。
基本的な仕組みは一括ファクタリングと変わらず、医療ファクタリングは一括ファクタリングの一種ということができます。
医療ファクタリングは3種類ある
医療ファクタリングは、さらに利用する医療機関の種類によって3種類に分類することができます。
簡単に言えば、利用業種や債権の種類によって、同じ医療ファクタリングでも呼び名が変わります。
続いて見ていきましょう。
①診療報酬ファクタリング
診療報酬債権ファクタリングとは、病院やクリニック、歯科医が活用するファクタリングのことです。
ただ現在では、医療ファクタリングそのものを診療報酬ファクタリングと呼ぶこともあります。
②介護報酬ファクタリング
介護報酬ファクタリングとは、デイサービスやケアハウスといった介護事業者が利用するファクタリングのことです。
③調剤報酬ファクタリング
調剤報酬ファクタリングとは、調剤薬局の事業者が活用するファクタリングのことです。
医療ファクタリングの仕組み・手数料
医療ファクタリングの仕組みは診療報酬債権をファクタリング会社が買い取って、医療事業者は買取代金を受け取るというものです。
なおファクタリング時には買取手数料が発生します。
医療ファクタリングの手数料は「0.5%〜10%」程度が相場です。
診療報酬債権は未回収となることがないため、一般的なファクタリング手数料の相場に比べると遥かに安い手数料設定となっています。
医療ファクタリングを利用するメリット


続いて医療ファクタリングを利用するメリットについて解説していきましょう。
①売掛先の信用が高いため、審査落ちにならない
医療機関の売掛先は国保や社保と、国の公的機関です。
一般企業に比べると遥かに信用力が高く、売掛先が倒産したり診療報酬債権が未払いになることはありません。
ファクタリングの審査では債権の回収リスクと売掛先の信用力が重視されるため、医療ファクタリングの申し込みをして審査落ちになる可能性は極めて低いと言えます。
銀行融資に比べると、確実に資金調達をすることができるでしょう。
②3社間ファクタリングが利用できる
ファクタリングには2社間取引と3社間取引という両方があります。
3社間ファクタリングは売掛先に債権譲渡通知をしなければならず、売掛先から信用を失う(資金繰りに窮していると思われる)、債権譲渡を承諾してもらえるか分からないといった理由があるため、現在のファクタリングは2社間ファクタリングが大半を占めています。
一方で医療ファクタリングの場合、国保や社保が債権譲渡を拒否することはありません。
また国保や社保にファクタリングの事実を知られたとしても、それが理由で診療報酬の支払い停止になることも無いでしょう。
以上の理由から他業種とは異なり、医療ファクタリングでは手数料が安い3社間ファクタリングを利用することができます。
③担保や保証人が不要である
ファクタリングは借入ではありません。
上述の通り、審査対象になるのは「売掛金の回収リスク」と「売掛先の信用力」です。
そのためご利用にあたって、担保や保証人を用意する必要はありません。
④初回でも最大2ヶ月分の債権をファクタリングできる
診療報酬債権が国保や社保から支払われるまでには、通常2ヶ月かかります。
ファクタリングを利用すれば、当月分の支払いと合わせて2ヶ月分の診療報酬を手にすることができるため、キャッシュフローの改善や高額な医療機器の購入時には有用です。
また他業種の場合、回収リスクを鑑みて2ヶ月先の売掛債権はファクタリングすることができません。
それでも医療ファクタリングでは、売掛金の信用力が高いため、初回利用でも最大2ヶ月分の債権をファクタリングすることができます。
⑤償還請求権なし(ノンリコース )のファクタリング契約
繰り返しですが、医療ファクタリングの売掛先は国の機関です。
そのため売掛金が未回収になるリスクがないため、償還請求なし(ノンリコース )でのファクタリング契約となります。
償還請求権とは、売掛債権が未回収となった場合に、ファクタリング会社に利用企業が弁済を行わなければならないことです。
医療ファクタリングは償還請求権がないノンリコースでのファクタリング契約となりますので、安心してご利用いただけます。
⑥最短即日でファクタリングができる
3社間ファクタリングのネックとして、売掛先から債権譲渡承諾を得なければならないため資金調達までに時間がかかる、ということがあります。
それでも医療ファクタリングの場合、国保や社保がファクタリングを拒否することはないため、スムーズにファクタリング契約を進めることが可能です。
申し込みから即日でファクタリング契約をすることもでき、スピーディーな資金調達をすることができます。
【関連記事】ファクタリングは即日調達が可能?仕組みや利用方法を解説
医療ファクタリングのデメリット


医療ファクタリングにはメリットもある一方で、デメリットも存在します。
続いて医療ファクタリングのデメリットを解説して参ります。
①診療報酬債権の満額を資金調達できるわけではない
診療報酬債権は未回収となるリスクは低いものの、支払いの際にはレセプト審査が行われます。
レセプト審査の結果次第では、申請した額が全額認められるわけではなく、診療報酬債権を満額買い取ってしまうとファクタリング会社が損をしてしまう可能性があります。
そのため医療ファクタリングでは、掛け目が80%程度と決められています。
診療報酬債権の満額を資金調達できるわけではありませんので、ご注意ください。
②手数料がかかる
医療ファクタリングの際には、買取手数料が発生します。
当然ですが、手数料の分だけ本来の診療報酬債権の金額は低くなってしまいます。
また医療ファクタリングは他業種より手数料が安いとは言え、銀行融資に比べると手数料は高めです。
医療ファクタリングを長期利用したり、継続利用すると手数料で資金繰りが逼迫されてしまうのでご注意ください。
医療ファクタリングの仕組み・実際の流れ


続いて医療ファクタリングの仕組みや実際の流れについて、簡単に解説していきましょう。
まず医療ファクタリングをご利用の際に必要な書類は以下の通りです。
◉医師免許証
◉保険医療機関指定通知書
◉診療報酬決定通知書
◉介護給付等支払決定額通知書(介護報酬ファクタリングご利用の場合)
◉調剤報酬等支払額決定通知書(調剤報酬ファクタリングご利用の場合)
ファクタリング会社によっては、決算書や納税証明書などの提出を求められることもあります。
また医療ファクタリングのご利用方法は、以下の通りです。
- 診療報酬債権の発生
- ファクタリング会社に医療ファクタリングの申し込み
- 必要書類を提出し、審査が行われる
- ファクタリング会社が国保・社保に債権譲渡通知を発送
- 債権譲渡登記を行い、ファクタリング契約
- ファクタリング会社から診療報酬債権が入金される
医療ファクタリング利用者の口コミ評判
最後に医療ファクタリングを利用したという事業者の方々の口コミ評判をご紹介します。


「設備刷新のために医療ファクタリングを利用しました」
血液透析装置や生体情報モニタなどの医療機器を刷新するために、医療ファクタリングを利用しました。
高額な資金の捻出に頭を悩ませていたのですが、借入をすることなく資金調達ができ、大変満足しています。


「銀行融資を断られてしまったのでファクタリングを利用」
決算状況が芳しくなく、銀行融資に落ちてしまいました。
OTC医薬品購入のための費用を用意する必要があり、資金繰りに悩んでいたときに知ったのがファクタリングです。
診療報酬債権を早期現金化できると知り、すぐに利用を決めました。審査がほぼなく、申し込みをした次の日に入金していただいたので、非常に助かりました。


「手数料が安く、利便性は高いと思います」
1千万円近くの診療報酬債権だったこともあり、手数料は1.3%と非常に低手数料でした。
調達スピードも速く、この手数料ならば銀行融資を利用するよりも、遥かに利便性は高いと思います。
医療ファクタリングのまとめ
医療ファクタリングとは、医療機関向けのファクタリングサービスです。
診療報酬債権を期日前に現金化することができ、審査が厳しくないため開業間もない医療事業者の方や、銀行融資に落ちてしまった事業者の方から注目を集めています。
医療ファクタリングには、
◉売掛先の信用力が高いため、審査落ちになることがない
◉手数料の安い3社間ファクタリングが利用できる
◉担保・保証人が不要
◉初回でも2ヶ月先の売掛債権をファクタリングできる
◉償還請求権がない(ノンリコース )ファクタリングである
◉最短即日で資金調達が可能
といったメリットがあります。
反面、
◉診療報酬債権の満額をファクタリングできるわけではない
◉銀行融資に比べると、手数料が高い
というデメリットがあるという点にはご注意ください。
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