悪徳ファクタリング会社から過払金の返還請求をする方法・条件まとめ

六法全書

ファクタリングの高い手数料は、条件さえ合えば過払金として返還することができます。

本記事では、ファクタリング会社への過払金返還が認められた裁判例をもとに、ファクタリング会社から過払金を請求する方法や条件などを解説して参ります。

「悪徳ファクタリング会社に騙されて契約をしてしまった…」

「ファクタリングの高い手数料の支払いに困っている」

という方は参考にしてください。

ファクタリング利用時には手数料に要注意!

ファクタリング契約書とメガネ

ファクタリングをご利用の際には、手数料に注意しなければいけません。

ファクタリングの手数料は1ヶ月分の売掛金に対して発生します。

仮にファクタリング手数料を年利に換算すると、現在の利息制限法を大きく超える金利になってしまうのです。

例えば、1ヶ月分の売掛債権を10%の手数料でファクタリングした場合、

「10%✖︎12ヶ月=120%」

が金利となります。

利息制限法で定められている金利上限が20%であることを鑑みると、ファクタリングの手数料は非常に高額であることがお分かりでしょう。

ファクタリングをご利用の際には、手数料について予め留意しておく必要があります。

ファクタリングは違法ではない

利息制限法を大きく超える金利換算であるにも関わらず、ファクタリングは違法ではありません。

その理由は、ファクタリングが貸付ではなく

「売掛債権の売買・譲渡」

であると考えられているからです。

融資ではないため、利息制限法を超える手数料であっても、違法にはなりません。

しかしながら過去にはファクタリング取引が貸付に当たるとして利息制限法が適用された判例があります。

その際の判決では当該のファクタリング契約は違法と見なされ、ファクタリング業者には利息制限法を超える金利分を過払金として返還が命じられました。

それでは続いて、ファクタリングで過払金の返還が命じられた判例を詳しく解説していきます。

ファクタリングと過払金:大阪地方裁判所の判例

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ファクタリングで過払金の返還請求が認められたのは、

「大阪地方裁判所平成26年(ワ)第11716号(判例タイムズ1439号179頁・消費者法ニュース111号262頁)」

の判例です。

この裁判はファクタリングを利用した企業が、ファクタリング会社を相手取って告訴をし、高額な手数料を過払金として返還することを求めました。

判例から言うと原告の訴えは認められ、被告(ファクタリング会社)は利息制限法を上回る手数料分を、原告へ返還を行ったのです。

過払金の返還を認めた判決理由として、裁判所は以下の点を挙げています。

①当該のファクタリング契約に、償還請求権が付帯していた

②売掛債権の売買であるならば、原告は債権が未回収となるリスクを全面的に負うべきであるが、原告は債権が未回収となった場合のリスクを負っていない

③売掛債権の全額ではなく、一部分だけを売買の対象にしていた

④被告は原告に対し、債権者(売掛先)に債権譲渡通知をすると脅していた

それではそれぞれの判決理由を詳しく見ていきましょう。

①「当該のファクタリング契約に償還請求権が付帯していた」

この裁判で最も大きな論争となったポイントです。

償還請求権とは、売掛先の倒産などで売買した売掛債権が未回収になってしまった場合には、ファクタリングを利用した企業がファクタリング会社に弁済しなければいけない義務のことです。

簡単に言えば、「買い戻し義務」のことで

仮に償還請求権が付帯している場合、ファクタリング契約は債権の売買ではなく、売掛債権を担保にした貸付であると見なされます。

ファクタリング契約前には、償還請求権があるかどうか、必ず確認しなければいけません。

②「売掛債権が未回収となった際の回収リスク」

大阪地方裁判所は、

「売掛債権を売買するからには、売掛金が未回収となるリスクについても背負うべき」

との見解を述べています。

償還請求権があれば、売掛金が未回収になっても、利用企業から支払いがあるため、ファクタリング会社は確実に債権を回収することができます。

しかしながらそれは、売掛債権の売買にはそぐわないというのが判例で示されています。

③売掛債権の全額ではなく、一部分だけを売買の対象にしていた

法的解釈は割れるところですが、売掛金などの売掛債権は、基本的に分割できるものではありません。

ただ当該のファクタリング契約では、売掛債権の全額ではなく一部分のみを売買の対象としていました。

大阪地方裁判所はこの点を、

「債権の額面とは関係なく、金員の授受が行われていた」

と見做しました。

④売掛先への債権譲渡通知で脅迫されていた

一般的に、売掛先にファクタリングの事実を知られてしまうのは好ましくありません。

売掛先にファクタリングを知られると、

「ファクタリングを利用するほど、資金繰りに窮しているということは、倒産寸前なのでは?」

と勘繰られてしまい、結果的に取引中止になってしまうことも考えられます。

ファクタリング会社は原告のそのような心理をつき、

「償還請求権を承諾しない場合は、売掛先に債権譲渡通知を発送する(売掛先にファクタリングをバラす)」

と半ば脅迫気味に伝えていました。

ファクタリング会社への過払金請求が認められなかった判例

一方でファクタリングを利用した企業が、ファクタリング会社へ過払金の返還を求めて訴えを起こしたものの、棄却された判例も2つあります。

いずれも東京地方裁判所で行われた裁判で、判例では

◉原告と被告の間で、売掛債権売買契約が交わされていた

◉償還請求権(買い戻し義務)がないノンリコース契約であった

◉売掛金が未回収になった場合のリスクを原告側(ファクタリングを利用した企業)が負っていない

といったことを理由に、過払金の請求は認められませんでした。

なお判例では、

「ファクタリングは貸付と似たような性質を持つが、償還請求権がないという点において、貸付などとは性質は異なる」

という判断も下されています。

ファクタリングで過払金の請求が可能な条件

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続いて、ファクタリングで過払金の請求が認められた判例と認められなかった判例を比較・検証し、過払金が請求できる条件をご紹介して参ります。

ファクタリングで過払金が請求できる条件まとめ

◉売掛債権譲渡であることが明示されていない
◉手数料が法定金利よりも高い
◉償還請求権(買い戻し義務)が付帯していた
◉売掛債権の一部分だけが売買の対象であった
◉分割払いの手数料を請求された
◉担保・保証人を要求された
◉ファクタリングを何度も利用している

①売掛債権譲渡であることが明示されていない

大前提として、ファクタリングは貸付ではなく売掛債権の譲渡(売買)です。

その旨が契約書に明記されていない場合、当該のファクタリングは売掛債権の売買と見なされない可能性が高くなります。

ファクタリング契約の際には、「売掛債権の譲渡」という言葉が契約書内に含まれているかを確認するようにしましょう。

②手数料が法定金利よりも高い

過払金は法定金利を上回る部分を、「払い過ぎた金利」とするものです。

そのため過払金を請求できるかどうかを確認するために、まずはファクタリングの手数料をチェックしましょう。

③償還請求権(買い戻し義務)が付帯していた

先の判例でも、大きな論争となったポイントです。

償還請求権(買い戻し義務)を伴うファクタリング契約は、債権譲渡ではなく売掛債権担保融資と見なされます。

売掛先が倒産などで支払い不能になった際に、ファクタリング会社に弁済を要求されても、応じないようにしましょう。

④売掛債権の一部分だけが売買の対象であった

ファクタリング会社への過払金請求が認められた判例では、売掛債権の一部分だけが売買対象であったことも判決理由に含められていました。

売掛債権の一部分だけを売買対象にしていた場合は、過払金の請求ができる可能性が高くなります。

⑤分割払いの手数料を請求された

こちらも法的解釈が分かれるところですが、基本的にファクタリング会社への支払いは分割払いができません。

分割払いを認めてしまうと、ファクタリング手数料も分割されることになり、その際の手数料は分割手数料となってしまいます。

貸金業の認可を受けていないファクタリング会社は貸付をすることができませんので、分割手数料は認めらません。

なお利用企業から要望で、分割払いを認めるファクタリング会社も存在します。

当然ですが、その場合は過払金を請求することはできませんのでご注意ください。

⑥担保・保証人を要求された

売掛金が未回収となることに備えて、担保や保証人を要求してくるファクタリング会社も存在します。

大阪地方裁判所は

「売掛債権を売買するからには、債権の回収リスクも売買に伴い移行するべき」

という見解を明らかにしています。

ファクタリング契約の際に担保や保証人を設定するのは、ファクタリング会社には回収リスクがないということです。

したがって担保や保証人があったファクタリング契約は、過払金を請求することができます。

⑦ファクタリングを何度も利用している

悪徳ファクタリング会社の手口として、初回の契約の際に契約期間を定め、ファクタリングを何度も利用させるように仕向ける、というものがあります。

高額なファクタリング手数料を毎月のように不当に支払っている、という状況は過払金の請求が認められる可能性が高いでしょう。

過払金の返還は弁護士・司法書士を利用すること

上記の条件に当てはまり、ファクタリング会社になの払い金を請求する際には弁護士や司法書士を利用するようにしましょう。

弁護士や司法書士の方から法的見解を得て、本当に当該のファクタリング契約が違法になるのかを判断してもらいましょう。

また闇金まがいのファクタリング会社に、急に過払金の請求をしてしまうと、嫌がらせを受けたり売掛先に債権譲渡通知をすると脅されることも考えられます。

そのため過払金の請求に関する通知書の発送は、必ず弁護士・司法書士の方に行ってもらようにしてください。

なお、140万円を超える過払金の請求は、司法書士では行えませんので、注意しましょう。

小括

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ファクタリングで過払金が請求できるかどうかの条件を簡単に言ってしまえば、

「ファクタリングが貸付と見なされるかどうか」

です。

償還請求権が付帯していたり、担保や保証人を要求されるなど貸付の性質がある場合は、過払金を請求することができます。

ただ基本的に利用企業側の同意があれば、多少手数料が高かったり、売掛債権の一部のみが買取対象であっても、違法と見なされる可能性は低くなります。

そもそもファクタリングは法律が未整備な分野であり、利用は自己責任です。

例えばファクタリングの手数料が高い、ということは利用前に理解しておかなければならないことで、単純に手数料が高いから過払金が請求できるというものではありません。

そのためファクタリング会社に過払金を請求する際は、

●ファクタリング会社が闇金だった
●契約内容を改竄されていた
●売掛先に債権譲渡通知をすると脅された

などと明らかにファクタリング会社側に非がある場合に行うようにしてください。

また過払金を請求する際には、司法書士の方や弁護士の方に依頼をし、法的見解を得てから過払金の返還を要求するようにしましょう。