「2社間ファクタリング」っていったいどういうもの?概要や登場した経緯、仕組みについて解説します

2019-08-18

「2社間ファクタリング」っていったいどういうもの?概要や登場した経緯、仕組みについて解説します

ファクタリングは、二つの取引スキームに分類されます。一つは「2社間ファクタリング」、もう一つは「3社間ファクタリング」です。「2社間ファクタリング」は、おおまかに「売掛先に売上債権を譲渡することを伝えない」というファクタリングのサービスとなっています。

この記事では、「2社間ファクタリング」だけにスポットライトを当てて、概要や登場した経緯、仕組みについて徹底的に解説していきたいと思います。

2社間ファクタリングとはどういうものか?

売上債権を譲渡して資金調達をするファクタリングサービスのなかで、売掛企業(クライアント)を介さずに、ファクタリングを利用する会社(納入企業)とファクタリング企業の2社間だけで契約を行うものを「2社間ファクタリング」といいます。

2社間ファクタリングが生まれた経緯とは?

元来、ファクタリングサービスというのは「3社間ファクタリング」しかありませんでした。

「3社間ファクタリング」とは、ファクタリングを利用する会社(納入企業)とファクタリング企業、そして売掛先(クライアント)の3社間の契約を結ぶサービスのことです。

「3社間ファクタリング」の最大の特徴は、納入企業は売掛先に対して「ファクタリングを利用するため、請求書の支払いはファクタリング企業にしてください」という同意を得なければならないということです。

しかし、ファクタリングという概念がそれほど浸透していない日本において、本来資金問題が勃発しやすい中小企業、零細企業にとって大きなハードルとなっていました。

なぜならば、クライアント側に理解がなければ「ファクタリングを使ってまで資金を早く調達したいということは、会社資金繰りが相当厳しいんじゃないか? このままこの企業に発注を続けて、急に倒産されたりしたら困るな」という思考になってしまいがちだからです。

そんなつもりではないのに、今後の取引を辞められたり、発注量を減らされたりしてはたまったものではありません。

そうやってなかなか中小企業、零細企業もファクタリングに踏み出すことができず、ファクタリングがさらに浸透していかないという悪循環が生まれてしまっていたのです。

債権譲渡登記制度の設立により状況が一変した

しかし、平成10年10月1日に「債権譲渡登記制度」が設立されたことで状況は変わってきました。制度のポイントはずばり、「債権が法務局に登記することができる」ようになったことです。「登記をする」ということは、「法的な根拠を持つ」ということとなります。

「債権譲渡登記制度」設立以前は売掛先の同意がなければ、ファクタリング企業は買取った売上債権が自分のものと証明することができないため、そもそも「3社間ファクタリング」しか提供できませんでした。

しかし、「債権譲渡登記制度」が設立されたことによって売掛先の同意がなくても登記を行いさえしていれば証明することが可能となったのです。

そうした背景から生まれたのが、「2社間ファクタリング」なのです。これは、中小企業、零細企業がファクタリングを行いやすくなるための待望のサービスでした。

2社間ファクタリングの仕組みとは?

「2社間ファクタリング」のフローを簡単に説明すると以下のようになります。

①契約を結ぶ
②商品を納品する・サービスを提供する
③売掛先に請求書を発行する
④売掛債権をファクタリング企業に譲渡する
⑤ファクタリング企業は売掛債権の買取金額を納入企業に支払う
⑥売掛先は請求書に従って納入企業に入金する
⑦納入企業は売掛先から入金された資金をファクタリング企業に支払う

ファクタリング契約が締結されたあとは、売上債権の譲渡登記を行うことになります。その後、ファクタリング会社はファクタリング契約手数料を除いた買取金額を納入企業へ支払います。

「3社間ファクタリング」では、売掛先が直接ファクタリング企業にお金を入金していましたが、「2社間ファクタリング」では、売掛先(クライアント)は売上債権が譲渡されたことなど知る由もありませんので、通常の請求書通りに納入企業の口座に請求金額を入金することになります。

納入企業は、売掛先から売掛金が入金されることになりますが、これはすでにファクタリング企業へ譲渡した債権ですので、速やかにファクタリング会社の口座に入金します。

このように「2社間ファクタリング」では、売掛先に売上債権を譲渡することを伝えることなくファクタリングが行うことができます。よって、売掛先に不要な心配をかけることなく存分にファクタリングによって資金繰りを行うことができるようになったのです。