ビジネスローンとは?種類別に特長や仕組みについて詳しく解説

企業や個人事業主が事業に必要な資金を調達する手段として最もメジャーな方法が銀行融資です。
しかし「銀行融資の審査に落ちてしまった」「急いでお金が必要」との理由で銀行融資以外の資金調達手段を探している人も多いのではないでしょうか? そのような人にはビジネスローンという資金調達手段があります。
ビジネスローンを利用することによって、銀行融資の審査に落ちた人や急いでお金が必要な人でも、必要なタイミングで資金調達することができる可能性があります。
ビジネスローンの特徴や、ビジネスローンの選び方を解説します。
銀行融資とは異なる資金調達チャネルの1つとして、ビジネスローンについて理解を深めておきましょう。
ビジネスローンとは?仕組みを解説


ビジネスローンとは、簡単に言えば「銀行や信用金庫などの金融機関以外のノンバンクの民間企業が提供する事業資金」ということができます。
まずはビジネスローンの概要について詳しく解説していきます。
ノンバンクが提供する事業資金の融資
ビジネスローンはノンバンクが提供する事業者向けの融資になります。
ノンバンクとは、銀行や信用金庫などの預金を原資とし融資を行う金融機関以外で融資を行う会社です。
消費者金融や信販会社が主にノンバンクに該当します。アコムやアイフルやプロミスなどの有名な消費者金融はビジネスローンを扱っていますし、信販会社であるオリックスやオリコなどもビジネスローンを取り扱っています。
金融機関以外の会社が貸金業者登録を行い、事業資金の融資を行うのがビジネスローンであると理解しておきましょう。
なお、貸金業者登録を行わなずに融資を行う会社は闇金ですので、絶対に取引をしてはなりません。
無担保のローン
ビジネスローンは原則的に無担保で行われます。
不動産を担保に融資を行う不動産担保ローンに対して、ビジネスローンは無担保で行われ、会社や個人事業主の財務状況や収益状況から判断される事業者の信用に対して融資を行います。
ビジネスローンの特長


ビジネスローンは銀行融資や個人ローンと比較して以下の8つの特徴があります。
- 最短即日で借入可能
- 非対面で借入可能
- 銀行よりも審査が甘い
- 総量規制対象外
- 使い道自由
- 金利は高い
- 高額借入は難しい
- 創業1年未満の会社は利用できない
私たちがイメージすることが多い銀行の事業資金融資やカードローンなどの個人向け融資と比較して、ビジネスローンにはどのような特徴があるのか、詳しく解説していきます。
最短即日で借入可能
ビジネスローンの大きな特徴の1つが最短即日融資です。
多くのビジネスローンが申込日当日に融資を受けることができる最短即日融資に対応しています。
銀行から事業資金融資を借りようと思った場合には、平均的には申し込みから融資まで2週間程度の時間がかかり、新規で銀行と取引する場合には3週間程度の時間がかかることも珍しくありません。
しかし、ビジネスローンは最短で申込日当日に融資を受けることができるので、「急いでお金が必要」という時にはかなり頼もしい存在です。
ビジネスローンの審査は「スコアリングシステム」と言って、企業の決算書などの情報をコンピューターのプログラムが自動で点数化する方法です。
人間の目線で審査を行う金融機関の事業資金融資よりも審査に時間がかからない方法になっているため、審査を瞬時に終えることができます。
- 月末に予定していた取引先からの入金が遅れると連絡が入った
- 銀行融資が実行されるまでのつなぎ資金
このような場合には、最短で申込日当日に融資を受けることができるビジネスローンを活用することができるでしょう。
非対面での借入が可能
ほとんどのビジネスローンが非対面で借入をすることができます。
- WEBから申し込み
- WEBから必要書類をアップロード
- WEBで審査結果通知
- WEB上または郵送またはFAXで契約手続
- 融資金の振込
というように、ビジネスローンは申し込みから契約まで非対面で融資を受けることができる会社が多数存在します。
銀行から事業資金を借りる場合には、申し込み、審査、契約というあらゆるタイミング対面が必要になり、忙しい経営者にとってはこれだけでもそれなりの負担になってしまいます。
ビジネスローンであれば、自宅や会社のパソコンやスマホなどから借入まで行うことができるので、忙しい経営者には重宝するでしょう。
銀行融資よりも審査が甘い
ビジネスローンは銀行融資よりも審査が甘いという特徴があります。
ビジネスローンの審査では、債務超過や赤字決算でも審査に通過することができる可能性があります。
何故かというと、ビジネスローンは銀行融資に比べると比較的に金利が高額に設定されている為、銀行の事業資金融資よりも貸付に対して、高いリスクを取ることができるからです。
そのため、銀行融資の場合では、まず借りることができない赤字・債務超過の会社でも融資を受けることができるケースがあるのです。
「銀行から融資を断られて借入を諦めていた」という企業であっても、ビジネスローンであれば融資を受けることができる可能性があります。
総量規制の対象外
ビジネスローンは消費者金融や信販会社などの貸金業者が取り扱う融資ですが、総量規制対象外となっています。
総量規制とは、貸金業者からの借入は総額で年収の3分の1以内という法律上のルールです。
これは個人に対して適用されるルールであるため、事業者に対する資金であるビジネスローンには適用されません。
節税のために所得を非常に低く申告している個人事業主の方は、カードローンなどを超少額しか借りることができないという問題があります。
総量規制対象外のビジネスローンであれば、所得を低く申告している個人事業主の方であっても必要な資金を借りることができます。
貸金業者からの借入でありながら、総量規制の対象外になるのもビジネスローンの大きな特徴だと言えるでしょう。
資金の使い道(資金使途)が自由
ビジネスローンは使い道(資金使途)が自由という大きな特徴があります。
銀行から事業資金を借りる場合には、使い道に関してかなり厳しく審査が行われます。
運転資金の借入を希望するのであれば、「この会社にこれだけの運転資金が本当に必要か」ということを厳しくチェックされますし、設備資金の借入を希望するのであれば、当該設備の見積書などを提出する必要があります。
しかし、ビジネスローンに関しては基本的に借りたお金の使い道は自由です。
運転資金に使っても設備資金に使っても自由ですので、銀行から借りるよりもビジネスローンの方が借りたお金を柔軟に活用することができます。
ビジネスローンの金利は高い
ビジネスローンは銀行の事業資金融資と比較して圧倒的に金利が高いという特徴があります。
ビジネスローンの金利は利息制限法という法律によって定められた以下の上限金利ギリギリの設定になっていることが一般的です。
元本額(借入金) | 利息制限法の定め(年間利率) |
---|---|
10万円未満 | 20%以下 |
10万円~100万円未満 | 18%以下 |
100万円以上 | 15%以下 |
大抵のビジネスローンの金利は15%〜18%と設定されています。銀行の事業資金融資の金利が2%前後であることを鑑みればビジネスローンの金利負担は非常に高いと言えます。
その分、スピーディーで銀行よりも甘い審査を行うことができますが、利息の負担は銀行と比較して非常に大きなものになってしまうのはデメリットです。
高額の借入は難しい?
ビジネスローンは高額の借入をすることが難しくなっており、融資限度額は500万円〜1,000万円となっているのが一般的です。
ビジネスローンは無担保で行われ、資金使途も自由になっているので、高額の融資には対応していません。
中規模以上の企業になると、ビジネスローンで借りるお金は1ヶ月分の運転資金にすらならない可能性があります。
小規模の事業者が緊急の資金繰りを行うのには適していますが、規模の大きな企業にとっては借入可能額が少なすぎて活用することができない可能性もあります。
創業1年未満の会社は利用できない
ビジネスローンは、決算書や確定申告書がまだ作成されていない創業1年未満の会社は利用することができません。
前述したように、ビジネスローンは決算書や確定申告書の数字をコンピューターに打ち込み、コンピューターが点数化するスコアリングシステムと呼ばれる審査を行なっています。
決算書や確定申告書がない場合にはスコアリングシステムでの審査をすることができないため、ビジネスローンでは創業前や創業1年未満の会社が利用することはできないのです。
創業前後の融資を銀行が行う場合には審査担当者が創業計画書などのチェックして審査を行いますが、ビジネスローンは人間の目線による審査をそれほど行わないので、決算書や確定申告書がない事業者に対する融資は行なっていません。
ビジネスローンはどう選ぶべきか?


ビジネスローンを取り扱う会社は無数に存在します。
また、ほとんどのビジネスローンが法定上限金利ギリギリの設定になっており、金利で選択することもできません。
そのため、ビジネスローンについて、「どの会社を選んでよいか分からない」という人も多いのではないでしょうか?
おすすめのビジネスローンの選び方としては以下の3つのポイントをあげることができます。
- 安全性
- 利便性
- スピード
ビジネスローンを選択する際の3つの比較基準について詳しく解説していきます。
安全な会社か確認する
ビジネスローンは以前は「商工ローン」と呼ばれ、違法な高金利で融資をして経営者の生活を破綻される事例が相次ぎ「商工ローン問題」という社会問題になったことがありました。
今は、貸金業法が改正されたためそのような問題はなくなりましたが、ビジネスローンを名乗る闇金が存在する可能性があります。
そのため、まずは取引しようとしている業者が安全な業者かどうかの確認は絶対に行いましょう。
ビジネスローンで融資を行うためには貸金業者の登録を行う必要があります。
取引をしている業者が登録貸金業者かどうかを確認するため、金融庁の「登録貸金業者検索サービス」にアクセスし、金融庁に登録貸金業者として登録されているかどうかを確認しましょう。
登録貸金業者として登録されていれば、その業者は国や都道府県の監督の元、法律遵守で業務を行なっているということですので、取引をしても安心です。
「登録貸金業者検索サービス」でヒットしない業者は闇金ですので絶対に取引してはなりません。
まず、何をおいても「安全な業者かどうか」という点を確認してからビジネスローンを選択するようにしましょう。
WBE上で融資まで実行可能な会社を選ぼう
ビジネスローンを選ぶにあたって、WEB完結できるかどうかという点も非常に重要です。
業者の中には来店が必要だったり、郵送で契約書をやりとりしてからでないと融資を受けることができない場合もあります。
せっかく手続きが簡単なビジネスローンを利用するのであれば、非対面で契約できるWEB完結に対応している業者の方が簡単です。
また、WEB完結できる業者は管理システムに投資をすることが可能な、ある程度しっかりとした会社であるといえます。
迅速かつ安心して取引をするためにもWEB完結で取引できる業者を選択するという点もビジネスローンを選ぶための重要な視点です。
必要なタイミングに資金が間に合うかを確認する
ビジネスローンを利用する人の多くが「急いで資金が必要」という人ではないでしょうか?
最短即日融資に対応している業者が多いビジネスローンですが、中には融資までに1週間以上かかってしまう業者も存在します。
そのため、資金が自分が必要としているタイミングに間に合うかどうかということは事前に確認した方がよいでしょう。
急いでいるのであれば、WEB完結でき即日融資に対応したビジネスローンを選択した方が無難です。
まとめ


ビジネスローンはノンバンクが行う無担保の融資です。
- 最短即日で借入可能
- 非対面で借入可能
- 銀行よりも審査が甘い
- 使い道自由
など、銀行の事業資金にはない特徴がありますが、金利が高く高額の借入ができないという点がデメリットです。
急いで資金が必要なとき、銀行融資の審査に落ちた時などに「必要なタイミングで資金が間に合うか」「安全な業者か」ということをしっかりと確認した上で利用を検討するとよいでしょう。