ビジネスカードローンとは?|メリット・デメリットと審査基準を徹底解説!!

会社や個人事業主などの事業者が借りることができるカードローン「ビジネスカードローン」について解説します。
一般的に事業資金を外部から資金調達するには時間がかかってしまいます。
銀行融資などは申し込みから借入まで2週間以上かかることも。
しかし、ビジネスカードローンを作っておけば、いざお金が必要になった時に確実に資金調達をすることができます。
ビジネスカードローンの特徴やメリット・デメリット、さらに審査基準まで、ビジネスカードローンについて徹底的に解説していきます。
ビジネスカードローンとは?


ビジネスカードローンとは、その名の通り、事業資金だけに利用できるカードローンです。
個人向けのカードローンの事業者版だと考えておけばよいでしょう。
ビジネスカードローンには主に以下の3つの特徴があります。
- 最初に借入枠を作成する
- 枠に対してローンカードが発行される
- ローンカードを使って自由に入出金
まずはビジネスカードローンの3つの特徴を詳しく解説していきます。
①最初に借入枠を作成する
ビジネスカードローンでは、最初に借入枠を作成します。
「〇〇万円まで借入できる」という枠を作成し、その枠の範囲内で自由に借入をすることができるのがビジネスカードローンです。
一度枠を作っておけば、その後は審査なしで枠の範囲内で借入をすることができるので、枠さえあればすぐにお金を借りることができます。
このような借入方法を「当座貸越」といいます。
②枠に対してローンカードが発行される
ビジネスカードローンでは当座貸越枠に対して、ローンカードを発行します。
このローンカードはコンビニATMをはじめとした提携ATMで利用することができ、ATMから自由に枠の範囲内のお金を借りることが可能です。
当座貸越自体は、以前から銀行でも取り扱っていますがカード発行がないのが基本です。
カード発行がない場合には銀行窓口に行って枠の中からお金を借りなければなりません。
そのため、カード発行のない当座貸越枠は銀行の営業時間内しか借りることができません。
カード発行があるビジネスカードローンであれば銀行営業時間外でもATMから借入することができます。
③ローンカードを使って自由に入出金
ビジネスカードローンで、ローンカードを使用してATMから自由に入出金することができます。
お金が必要な時にはコンビニATMなどに行き、必要資金をすぐに借りることができますし、取引先から入金があった時にはATMからすぐに返済することができます。
基本的には毎月決まった返済金さえ支払うことで、あとは自由に出し入れができるのがビジネスカードローンの特徴です。
事業資金に特化した、個人向けのカードローンということができるでしょう。
ビジネスカードローンのメリット4選!


ビジネスカードローンは一括融資を受ける証書貸付と比較してメリットが多く主に以下の4つをあげることができます。
- 借りなければコストはかからない
- いざという時にすぐにお金を借りることができる
- 休日や深夜でも借入可能
- 使い道を見られない
「使わないなら借りなくてもいい」「とりあえず作っておく」ことができるのがビジネスカードローンの魅力です。
ビジネスカードローンのメリットを詳しく理解しておきましょう。
①借りなければコストはかからない
ビジネスカードローンは、お金を借りなければコストは一切かかりません。
どこの会社も「年会費無料」というのが当たり前ですので、枠だけ作成して借りないのであれば全く負担はありません。
ビジネスカードローンは枠だけ作っておけばすぐに借入ができる便利なものですので、「今はお金が必要ない」という人もとりあえず枠を作成しておくと便利でしょう。
②いざという時にすぐにお金を借りることができる
ビジネスカードローンはいざという時にすぐにお金を借りることができます。
既に枠を作る際に審査を終えているので、審査なしですぐに借りることができるのは大きなメリットです。
通常、銀行の事業資金融資は申し込みから融資まで2週間以上の時間が必要になり、即日融資に対応したビジネスローンですら即日で融資を受けることができない場合があります。
ビジネスカードローンであれば審査なしでお金を借りることができるので、いざという時には確実に資金調達することが可能です。
③休日や深夜でも借入可能
ほとんどのビジネスカードローンがコンビニATMと提携しています。
そのため、休日や深夜でも自由に借入をすることが可能です。
深夜急に事業のお金が必要になるタイミングはそれほどないかもしれませんが、枠だけ作成しておけば365日24時間いつでもお金を自由に借りることができるというのは、仕事をしている上で非常に頼もしい存在です。
④使い道を見られない
ビジネスカードローンは使い道を債権者に確認されないことが大きなメリットです。
証書貸付で借入前に資金使途をかなり厳格にチェックされますが、ビジネスカードローンでは一度枠を作ってしまえば、その後融資金の行方をチェックすることはできません。
「いつお金を借りたのか」ということすら確認されないので、返済だけ遅れなくしっかりと履行することで、証書貸付よりもかなり気軽に資金調達することができます。
ビジネスカードローンのデメリット4選!


便利なビジネスカードローンですが、デメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。
ビジネスカードローンには4つのデメリットがあります。
- 借りすぎてしまうリスクがある
- 借金という感覚がない
- 更新できない場合は返済に負われる
- 証書貸付よりも金利が高い
①借りすぎてしまうリスクがある
ビジネスカードローンは借りすぎてしまうことに注意が必要です。
あまりにも簡単にお金を借りることができるので、普段であれば我慢するような出費に対しても、よく考えずお金を借りて浪費をしてしまう可能性があります。
本来であれば借りなくてもいいような理由でお金を借りて使ってしまうので、お金を使いすぎてしまう点には注意が必要です。
②借金という感覚がない
ビジネスカードローンは借金という感覚がなくなってしまう大きなリスクがあります。
ビジネスカードローンはATMからあまりにも自由に入出金することができるので、自分のキャッシュカードと錯覚してしまうことがよくあります。
借金という感覚がなくなって「手元にお金が足りない」という理由で、簡単に借金をしてしまうと、気づいた時には限度額が一杯になり「何に使ったのか分からない」というのはカードローンで借金地獄になる典型的なパターンです。
ビジネスカードローンは借金であるという認識を強く持って、借りすぎには十分注意する必要があります。
③更新できない場合は返済に追われる
ビジネスカードローンは大抵2年程度で更新になります。
この際、企業の業績が悪くなっていた場合などは契約を更新することができません。
契約を更新できない場合には、これまで借りていた残金を一括もしくは分割によって返済します。
ビジネスカードローンはいつか契約が更新されなくなるタイミングがあります。
契約を更新できている間は元本を返済する必要はありませんが、契約を更新することができないと、借入残高の返済を迫られてしまいます。
契約を更新できない時のリスクも考慮した上でビジネスカードローンを利用する必要があるでしょう。
④証書貸付よりも金利が高い
ビジネスカードローンは証書貸付よりも金利が高くなってしまうことがあります。
一度枠を作成したら何に借りたお金を使っても自由なのが、ビジネスカードローンです。
使い道をある程度把握することができる、一括融資の証書貸付よりもビジネスカードローンの方が債権者にとってはリスクの高い融資だと言えます。
債権者にとってリスクが高いので、ビジネスカードローンは証書貸付よりも金利設定が高くなっていることが一般的です。
多くのケースで金利15%の法定上限金利ギリギリの設定となっていることが多くなっています。
ビジネスカードローンの審査の実態は?


最後にビジネスカードローンの審査基準について解説していきます。
使い道がかなり自由なビジネスカードローンの審査は一括融資の証書貸付よりも厳しくなる傾向にあります。
また、法人と個人で審査のポイントが全く異なることがあるという点にも注意しましょう。
証書貸付よりも審査は厳しい
ビジネスカードローンは、一括融資の証書貸付よりも審査は厳しくなっています。
当座貸越は一度枠を作成してしまったら何に使っても自由で、事業資金融資であるにも関わらず消費資金に使われてしまったとしても債権者としては把握できません。
そのため、あらゆるローンの中で最も厳格に審査を行うのが当座貸越です。
基本的には業況が安定しており、返済には問題がないと判断できる程度の企業の状態でないと審査に通過することはできません。
ただし、ノンバンクのビジネスカードローンは例外で、銀行などの審査に通過することができない人でも審査に通過することができる可能性があります。
法人は業況の安定性が重視される
法人は業況の安定性が重視されます。
当座貸越は契約を更新して、数年間以上使用するものです。
そのため、これまでの数年間、一定程度安定した決算を継続できている企業がビジネスカードローンの審査で最も強く要求される条件です。
一過性の黒字であっても、これまでの数年間で赤字を継続してきたような企業はビジネスカードローンの審査に通過することは難しいでしょう。
個人事業主専用カードローンは個人信用情報を確認される
ビジネスカードローンには個人事業主向けのカードローンが多数存在し、有名どころだけでも以下のような商品があります。
- プロミス:自営者カードローン
- アコム:事業サポートカードローン
- オリックスクレジット:オリックスVIPローンカードBUSINESS
このような個人事業主専用のカードローンの審査でメインになるのは業況ではなく、個人信用情報です。
個人事業主専用のカードローンでは確定申告書から決算内容をチェックはしているものの、基本的には個人信用情報をメインにして審査を行います。
業況が悪くても個人信用情報に問題がなければ審査に通過することができる場合がありますし、業況が良くても個人信用情報がブラックであれば審査に通過することはできません。
個人事業主は個人の借入やクレジットカードの情報によって変化する、個人信用情報によってビジネスカードローンの審査結果が左右されると理解しておきましょう。
まとめ


ビジネスカードローンは借入枠を作成し、枠の範囲内で自由に借入をすることができる非常に便利な商品です。
事前に借入枠を作成しておくことで、いつでも枠の範囲内で借入ができます。
すぐにお金が必要ではない企業でも、いざという時のために枠だけは作成しておくとよいでしょう。
ただし、ビジネスカードローンはあまりにも簡単に借入ができてしまうの、借りすぎには十分な注意が必要です。
「ビジネスカードローンは借金」という認識を強く持ち、計画的に利用するようにしてください。