ビジネスローンで開業資金を借りられる?開業資金の調達先と審査基準を徹底解説!

2020-10-06

開業前の店舗

事業を開業する前は、仕入れや設備投資などの様々な支出が必要になります。

開業にかかる資金が自己資金だけで足りない時には借入などの方法によって外部から資金調達する必要があります。

簡単に素早く資金調達することができるビジネスローンで開業資金を借りることはできるのでしょうか?

結論的には開業資金をビジネスローンで調達することは不可能だといえます。

これは開業資金の審査とビジネスローンの審査方法が全く相容れないものであるためです。

ビジネスローンで開業資金を借りることができない理由と、開業資金を外部から調達する方法について詳しく解説していきます。

ビジネスローンは開業資金を借りることが難しい

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ビジネスローンで開業資金を借りることは現実的に不可能だというのが実際のところです。

これは、ビジネスローンの基準や審査方法が開業前後の事業とは相容れないためです。

  1. 融資を受けるのは開業後1年以上
  2. 決算書ができてからでないと審査ができず借りられない
  3. 開業1年未満は決算書がないので融資(申込み)不可

ビジネスローンで開業資金を借りることができない理由について詳しく解説します。

①融資を受けるのは開業後1年以上

ビジネスローンで融資を受けることができる事業者は基本的に開業後1年以上経過している事業者だけと理解しておきましょう。

開業1年未満の事業者はそもそも融資対象ではないので申し込んでもその時点で審査落ちになってしまう可能性が高くなります。

②決算書ができてからでないと審査ができず借りられない

ビジネスローンを借りることができる人は、ビジネスローンを取り扱うノンバンクに対して決算書や確定申告書を提出することができる人のみです。

詳しくは後述しますが、ビジネスローンの審査は決算書や確定申告書がないと物理的に審査を進めることができません。

決算書がなければ審査ができず、審査ができないのであれば融資をすることができないので、決算書がない事業者はビジネスローンを借りることができません。

③開業1年未満は決算書がないので融資(申込み)不可

開業してから1年未満は決算書がありません。

決算書とは開業から最初の決算を経過して初めて作成できるものだからです。

ビジネスローンにおいては決算書がないと審査ができないので、決算書がない状態である開業から1年未満の状態では審査に通過することができません。

なお、開業から1年以上経過していても確定申告を怠り、決算をしていない企業や個人事業主はビジネスローンはじめとしたあらゆる事業資金融資を受けることができないので注意しましょう。

ビジネスローンの審査方法はどうなっている??

コンピューターでローン審査をする様子

では、実際にビジネスローンはどのような方法で審査を行なっているのでしょうか?

  1. 決算書や確定申告書をコンピューターへ入力
  2. コンピューターが自動判定
  3. 個人事業主は信用情報も重視される

このように、基本的にビジネスローンの審査はコンピューターが行い、だからこそ審査がスピーディーに完結します。

ビジネスローンの審査の流れや手法についてもう少し詳しく見ていきましょう。

①決算書や確定申告書をコンピューターへ入力

ビジネスローンの審査で最初に行うことは、決算書や確定申告書の内容を審査担当者が当該ノンバンクの審査システムへ入力することです。

この審査をするためには必ず確定申告書や決算書が必要になるので、確定申告書がない事業者は審査をすることすらできません。

そのため、多くのビジネスローンで決算書や確定申告書を提出することができない事業者は申し込むことすら不可能になっています。

②コンピューターが自動判定

ほとんどのビジネスローンでは、コンピューターへ入力した決算書や確定申告書の内容をもとに、コンピューターのシステムが融資の可否を自動判定します。

独自のアルゴリズムに基づいて設計させれた審査システムが自動で「融資しても問題ないか」「いくらまで貸すことができるか」ということを審査します。

どの申込者に対してもコンピューターが同じ基準で審査を行うので、だれが審査を行なっても同じ審査結果となります。

このような審査を「スコアリング審査」と言います。

③個人事業主は信用情報も重視される

なお、スコアリング審査において、個人事業主は申込者個人の個人信用情報も重視されます。

個人事業主の事業は生活と一体化していることが多いので、ブラックの人に融資をするとビジネスローンが返済されない可能性が高いためです。

多くのビジネスローンで個人事業主は信用情報がブラックの場合は借りることができません。

決算書がないとスコアリングできない

このように、ビジネスローン審査は決算書の内容をコンピューターが自動判定して融資の可否を決定するスコアリングで行われます。

決算書がなければそもそもスコアリングすることができないので開業資金をビジネスローンで借りることはできません。

開業資金の審査基準について

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では反対に日本政策金融公庫や銀行で借りることができる開業資金の審査基準はどのようなものなのでしょうか?

  1. 創業計画書を審査担当者が判断する
  2. 経営者の人柄を審査担当者が判断する

このように、基本的に開業資金の審査は審査担当者という人間が書類や人柄などを詳細に判断して融資の可否を決定し、コンピューターの審査を行うビジネスローンとは対照的です。

①創業計画書を人間が判断する

日本政策金融公庫や銀行の開業資金の審査では必ず創業計画書を提出しなければなりません。

創業計画書には以下のような事柄を記載します。

  1. なぜ起業しようと思ったのか
  2. 売上の見込みはいくらか
  3. 仕入れの見込みはいくらか
  4. 将来的にはどの程度の売上を見込んでいるのか
  5. 中期的な資金繰り計画

創業計画書に記載されたこれらの情報から、審査担当者が「計画的な創業計画か」「事業が成功する見込みはあるか」などということを総合的に判断して融資の方向性を決定します。

創業計画は審査担当者が主観的に判断するので、数字からリスクを判定するスコアリングとは全く異なる審査だと言えます。

②経営者の人柄を判断する

創業計画書の他にも経営者との面談の上で、経営者の人柄も判断しています。

特に開業資金融資においては、事業のスタート前に融資を行うものですので、融資を受けた後に融資金を事業に使用せずに逃げてしまうという可能性も十二分にあり得ます。

面談から

  1. 開業に対する本気度
  2. 当該事業に関するこれまでの経験
  3. 業界への知識
  4. 開業への夢

などを審査され、「融資をしても経営者として問題ない」と判断された場合のみ、審査に通過することができます。

人間性を客観的に判断することは不可能ですので、やはりここでも審査担当者が主観的に判断することになります。

人間が時間をかけて行う審査はビジネスローンに不向き

このように、開業資金の審査では創業計画書や経営者の人間性などを審査担当者の目で主観的に判断します。

主観を排除して、決算書という動かぬ数字からコンピューターが一律の基準で審査を行うビジネスローンの審査とは正反対の審査です。

また、ビジネスローンの担当者は銀行の担当者のように、創業計画や経営者の資質を審査するいわゆる「目利き」の能力を保有していません。

開業資金では決算書がないので審査担当者の目で審査せざるを得ないため、ビジネスローンで取り扱うことには不向きな融資だといえます。

これがビジネスローンが開業資金を扱わない理由です。

開業前後にお金が必要になったら

開業前後にお金が必要で困っている経営者

開業前後にお金が必要になった場合にはビジネスローンを利用することはできません。

ビジネスローンではなく、以下の方法で開業資金の借入を行いましょう。

  1. 銀行や日本政策金融公庫の開業資金融資を受ける
  2. 個人向けローンを借りる
  3. クラウドファンディングや補助金を利用する

開業前後の資金調達方法について詳しく解説します。

①銀行や日本政策金融公庫の開業資金融資を受ける

基本的に開業資金の融資は銀行や日本政策金融公庫といった金融機関から借りるべきです。

これらの金融機関から開業資金を借りると2%前後の低金利でお金を借りることができます。

15%〜18%のビジネスローンと比較して低金利でお金を借りることができるというのが最大のメリットです。

また、開業資金は計画さえしっかりとしていればどんな人でも借りやすいという特徴があります。

開業後の融資であれば、決算内容に対して審査が行われるため、決算が悪い企業はお金を借りることができません。

一方、開業前の融資は何も実績が出ていないので、事業計画に対してのみ審査が行われます。

比較的どんな企業でも借りやすいので、わざわざ金利の高いビジネスローンで借りる理由はありません。

開業資金は原則的に銀行や日本政策金融公庫から借りるようにしましょう。

②個人向けローンを借りる

開業前の会社員のうちに個人ローンを借りておくというのも資金調達の有効な手段です。

個人向けローンは会社を辞めてしまったら借りることが困難です。

会社を辞めると勤続年数と収入が著しく減少してしまうので審査は不利ですし、そもそも個人ローンは会社員への融資を想定した商品です。

お金を借りやすい会社員の間に開業に必要な資金を借りておいてから開業するというのも有効な手段でしょう。

また、開業とは無関係ですが、住宅ローンや自動車ローンなどを利用する場合も退職する前に借りておくとよいでしょう。

退職したあとでは事業が軌道になるまで借りることができなくなってしまいます。

③クラウドファンディングや補助金を利用する

返済不要な開業資金の調達方法として、クラウドファンディングや補助金を利用するという方法もあります。

クラウドファンディングではサイト上に案件を掲載し、プロジェクトに賛同してくれる人を募ってその人たちからお金を集めるという方法です。

集まった資金は返済する必要がないので、クラウドファンディングに成功すれば資金繰りは創業当初からある程度円滑になります。

ただし、クラウドファンディングに成功するためには多くの人の賛同を集めることができる魅力的なプロジェクトでなければなりません。

一般的な商売に必要になる資金をクラウドファンディングでを集めることは難しいでしょう。

また、国は創業補助金という補助制度を用意しています。

創業にかかる経費の補助率は2/3を100万円~200万円を限度として資金援助を受けることが可能です。

ただし、創業補助金も誰もが受けることができるわけではなく、審査に通過して採択された事業者だけです。

採択されるには、事業の計画性や創業の妥当性などが重視され、開業融資と同じように創業計画書が重要になります。

補助を受けることができればメリットは非常に大きいため、これから創業するという人は申し込んでみるとよいでしょう。

創業補助金の募集は毎年春頃に行われるので、中小企業庁のホームページなどをチェックしてください。

まとめ

広くてきれいな公園

開業資金の融資をビジネスローンで受けることはできません。

開業時には決算書や確定申告書が出来上がっていないので、決算書や確定申告書からスコアリング審査を行うビジネスローンでは物理的に審査を行うことができないためです。

開業資金の融資を受けたいのであれば、銀行や日本政策金融公庫へ申し込みをするようにしましょう。

銀行や日本政策金融公庫の開業資金融資は金利が低くビジネスローンよりもメリットがあります。

また、創業計画書さえしっかりと作っておけば問題なく審査に通過できすので、開業時にわざわざ金利の高いビジネスローンを借りる合理性はありません。

創業計画書は銀行員も一緒に作成してくれるケースが多いので、まずはざっくりとした創業計画を持参して銀行や日本政策金融公庫窓口へ相談してみるとよいでしょう。