保証ファクタリングとは?仕組みから利用するメリット・デメリットを徹底解説

売掛債権を使った資金調達法として注目を集めているファクタリング。
ですがファクタリングの中には、単に資金調達をする以外のサービスもあります。
それが保証ファクタリングです。
今回は保証ファクタリングとは何か、具体的な仕組みからメリット・デメリットを分かりやすく簡単に解説していきます。
保証ファクタリングとは?


保証ファクタリングとは、売掛債権や手形に保険をかけるファクタリングサービスのことです。
ファクタリング会社に保証料(掛け金)を支払うことで、納入企業が有する売掛債権が未回収となったり手形が不渡りになった際でも、保証金を受け取ることができます。
保証ファクタリングを利用することで、
◉売掛債権を確実に回収できる
◉与信管理業務を外注でき、業務効率化を図ることができる
といった利点があり、近年、多くの業種からその活用が注目されています。
保証ファクタリングの利用方法
保証ファクタリングを利用する流れは以下の通りです。
⑴ ファクタリング会社に保証ファクタリング利用の申し込み
⑵ 売掛債権と取引先の審査
⑶ 掛け金・保証料率の決定
⑷ ファクタリング会社と売掛金保証取引契約を結ぶ
⑸ 保証料の支払い
⑹ 売掛債権が未回収になった場合にファクタリング会社から保険金が支払われる
保証ファクタリングは利用にあたって、売掛債権の支払い実績と取引先の審査が行われます。
そのため支払い滞納を度々起こしてしる売掛債権や、信用力が低い取引先に関しては保証ファクタリングが利用できない可能性があります。
保証ファクタリング利用後でも、取引先の経営状況が芳しくないと判明すると、保証取引契約を解除されることもあるので予め留意してください。
またファクタリング会社によっては、保証金額=売掛債権の満額ではない、という点にも注意が必要です。
保証ファクタリングの手数料(保証料)
保証ファクタリングでは、掛け金として保証料をファクタリング会社に支払う必要があります。
保証ファクタリングの手数料相場は、売掛金の2~8%が相場です。
なお保証料は売掛債権の金額や取引先の信用力によって変動します。
保証ファクタリングのメリットとは?


保証ファクタリングのメリットとして、以下の4点が挙げられます。
◉売掛債権を確実に回収することができる
◉与信管理業務をアウトソーシングできる
◉取引先に知られることなく利用できる
◉銀行系ファクタリング会社が利用できる
続いて詳しく解説して参ります。
①売掛債権を確実に回収することができる
保証ファクタリングの最大のメリットは、売掛債権が未回収となってしまってもファクタリング会社から保証金が支払われるという点です。
売掛債権や手形を確実に回収することができ、キャッシュフローの悪化を招く心配がありません。
②与信管理業務をアウトソーシングできる
取引先を何社も抱えている場合、与信管理業務は時間・費用ともに、業務を逼迫してしまいます。
一方で保証ファクタリングを利用すれば、ファクタリング会社が取引先の信用力調査を行い、業績などを報告してくれます。
また万が一、取引先が支払い不能になってしまったとしてもファクタリング会社が売掛金を保証してくれます。
つまり保証ファクタリングを利用することで、取引先の与信管理業務をアウトソーシングすることが可能となるのです。
保証ファクタリングを利用することで、自社業務のコストと時間を大幅に削減することができます。
③取引先に知られることなく保証ファクタリングを利用できる
取引先に支払い能力に不安があることや、支払い条件変更を申し出ると、取引関係に支障をきたしてしまう恐れがあります。
結果的に取引停止になってしまうことも十分に考えられるでしょう。
ですが保証ファクタリングは取引先に知られることなく利用することができ、取引先に通知されることはありません。
取引先との関係性を壊すことなく、安心して利用することができます。
④銀行系ファクタリング会社が利用できる
みずほグループである「みずほファクター」や三菱UFJ銀行が運営している「三菱UFJファクター」など、銀行系ファクタリング会社も保証ファクタリングを提供しています。
民間系ファクタリング会社の中には悪徳業者やヤミ金業社も少なからず存在していますが、銀行系ファクタリング会社ならば信頼性が高く、そのような心配はありません。
安心して保証ファクタリングを利用したい、というのであれば銀行系ファクタリング会社のご利用がおすすめです。
保証ファクタリングのデメリット


保証ファクタリングには、ご利用前に知っておかなければならないデメリットも存在します。
具体的には以下の通りです。
◉手数料がかかる
◉審査があるため、確実に利用できるとは限らない
◉取引信用保険・売掛債権保証サービスなど類似サービスがある
デメリットに関しても、詳しく解説していきましょう。
①手数料がかかる
前述の通り、保証ファクタリングには掛け金として手数料がかかります。
また保証ファクタリングの仕組みとして、売掛金が未回収にならない限り保証金は支払われません。
支払った手数料が丸々損となる可能性もあります。
②審査があるため、確実に利用できるとは限らない
保証ファクタリングには、事前審査があります。
審査では取引先の信用力や経営状況などが厳しくチェックされ、売掛金の支払い実績に関しても審査対象になります。
そのため保険をかけようと思った取引先が審査落ちになってしまったり、ファクタリング会社に利用を拒否されてしまう可能性は十分にあります。
また取引先が何社も存在する場合は、ファクタリング会社の方で保険をかける取引先を選定されることも考えられます。
必ずしも期待通りの結果になるとは限りませんので、ご利用前にはご注意ください。
③取引信用保険・売掛債権保証サービスなど類似サービスがある
売掛債権や手形に保険をかけるというサービスは、何も保証ファクタリングだけではありません。
取引信用保険や売掛債権保証サービスなど、類似サービスはたくさんあります。
それらと比べると、保証ファクタリングは近年誕生したサービスであり、その他の保証サービスに比べると歴史は浅く、提供している企業の数も多くはありません。
保証ファクタリングの利用をご検討の際には、取引信用保険や売掛債権保証サービスなどと比較し、どのサービスを利用するかを決めるようにしてください。
保証ファクタリングのご利用がオススメな事業者・業種
最後に保証ファクタリングのご利用がオススメな事業者や業種をご紹介します。
◉支払いサイトが長く、滞りなく売掛金が支払われるか分からない(建設業会など)
◉取引先の数が多く、与信管理業務が大変
◉連鎖倒産の不安がある
◉売掛債権を確実に回収したい
上記に当てはまる事業者・業種の方は、補償ファクタリングの利用を検討してみましょう。
「下請債権保全支援事業」が当てはまる業種(下請建設業・資材業者など)の場合は、保証ファクタリングの手数料を国土交通省が支払ってくれる女性制度を受けることも可能です。
保証ファクタリングのまとめ


保証ファクタリングとは、ファクタリング会社に手数料を支払うことで売掛債権や手形に保険をかけるサービスのことです。
◉売掛債権を確実に回収することができる
◉与信管理業務をアウトソーシングできる
◉取引先に知られることなく利用できる
◉銀行系ファクタリング会社が利用できる
といったメリットがあり、支払いサイトが長く売掛債権の回収に不安を抱えている事業者の方から注目を集めています。
反面、
◉手数料がかかる
◉審査があるため、確実に利用できるとは限らない
◉取引信用保険・売掛債権保証サービスなど類似サービスがある
といったデメリットがある点にはご注意ください。
また保証ファクタリングは一括ファクタリングとは異なり、資金調達には不向きです。
売掛債権を使って資金調達をしたいとお考えの事業者の方は、一括ファクタリングができるファクタリング会社を利用しましょう。