ファクタリングの4つのデメリット・危険性(リスク)を解説

2019-08-03

4つのデメリットと危険性を解説

ファクタリングとは売掛金を売却し、資金調達をする方法です。

銀行融資のような厳しい審査がなく、即日で資金調達ができるといったメリットがある一方でファクタリングにはデメリットや危険性(リスク)も存在します。

本記事ではファクタリングを利用する前に知っておきたいデメリットを4つ、解説していきます。

ファクタリングのデメリット・危険性(リスク)

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ファクタリングのデメリットや危険性として、以下の4点が挙げられます。

  • 取引先から信用を失う可能性がある(3社間取引時)
  • 手数料が高い
  • 違法な債権担保融資に当たる可能性がある
  • 悪徳・詐欺ファクタリング会社が存在する

それでは1つずつ詳しく解説して参ります。

①取引先から信用を失う可能性がある(3社間取引時)

3社間取引とは、「ファクタリング会社」、「利用企業」、「取引先」の3社間で行うファクタリングのことです。

具体的には取引先から債権譲渡承諾を得てから、ファクタリング会社へと売掛債権を売却します。

3社間ファクタリングは債権が未回収となる可能性が低いため、手数料を低く抑えることができます。

しかしながら取引先にファクタリングの事実を知らせる必要があり、「信用リスク」が生じてしまうという点には注意しなければいけません。

ファクタリングは銀行融資やビジネスローンなどを利用することができず、半ば最終手段として利用される資金調達法です。

そのためファクタリングの利用を取引先に申し出ると、

「ファクタリングを利用しなければいけないほど、資金繰りや業績が悪化しているのだな」

と思われてしまう可能性があります。

結果的に「あの会社は信用できないから、取引関係を見直そう」となってしまい、取引停止となるリスクはゼロではありません。

そもそもファクタリングの理解を得られないケースもある

ファクタリングはまだまだマイナーな資金調達法であり、グレーな資金調達法というイメージを抱かれている方も少なくありません。

そのためファクタリング契約を持ちかけても、同意を得られないことはしばしばあります。

・取引先からの信用を失ってしまう
・ファクタリングを拒否される

といったリスクがあるため、実際のファクタリングでは3社間取引ではなく2社間取引であることが大半です。

取引先への話はファクタリング会社に任せよう

3社間ファクタリングでは、取引先へ債権譲渡承諾(ファクタリングへの同意)を得る必要があります。

この時に取引先とよっぽど深い信頼関係にない限りは、取引先への説伏は自社で行わずにファクタリング会社の専門スタッフに一任するようにしましょう。

自社で取引先にファクタリングに関する説明をしてしまうと、ファクタリングの同意を得られない可能性が高くなってしまいます。

一方で専門家であるファクタリング会社のスタッフの方に代わりに説明をしてもらえば、3社間ファクタリングの同意を得られる可能性が上がるでしょう。

②手数料が高い

銀行融資やビジネスローンでは、利息制限法という法律に基づいて、1年間の貸し出しの際の金利上限は20%までと決められています。

一方のファクタリングは売掛金の売買であり、融資ではありません。

そのため利息制限法の規制を受けることがなく、ファクタリング手数料の上限は設けられていないのが現状です。

ファクタリングの手数料相場は5%~20%が相場です。

仮に10%の手数料でファクタリングを実行するとなった場合に、手数料を金利として換算すると、

10%×12ヶ月=120%

と非常に高い金利となります。

利息制限法で制限されている金利上限の20%と比較すると、以下のファクタリング手数料が高いかがお分かりでしょう。

実際には、ファクタリングは金利返済をする必要はありませんが、手数料の分だけ本来得られるはずだった売掛金額は少なくなってしまいます。

③違法な債権担保融資に当たる可能性がある

ファクタリングは売掛金の売買ですが、実際には債権譲渡を装った売掛金担保融資ではないかという指摘がされています。

ファクタリングが債権担保融資であるかは専門家の中でも意見が割れる部分です。

ただファクタリング会社は金融庁から貸金業者としての認可を受けていないため、ファクタリングが債権担保融資であると判断された場合はファクタリング会社は違法となってしまいます。

当然ながら、前述の利息制限法を大きく上回る手数料に関しても違法扱いとなるでしょう。

また過去にはファクタリング手数料を巡って、ファクタリング利用企業が原告となり、ファクタリング会社を相手取って訴訟を起こしたという裁判例も存在します。

ファクタリングが違法な債権担保融資として認められた判例

この裁判では、ファクタリングを利用した運送会社がファクタリング契約が債権担保融資であったとし、利息制限法を上回る手数料について、過払金としての返還を求めたという裁判です。

判決として、裁判所では原告の訴えを認め、当該のファクタリング契約が債権担保融資であったとしてファクタリング会社に過払金の支払いを命じました。

論点となったのは、被告であるファクタリング会社が一度買い取った売掛金を買い戻しを原告に強要したという点です。

買い戻しを断った場合には取引先に債権譲渡通知をすると迫り、強制的に買い戻しをさせました。

裁判所はこの行為が債権売買ではなく、債権を担保にした違法な貸付であると見なしたのです。

ファクタリングが有効な債権売買であると見なされた判例もある

上記の判例と時間軸は前後しますが、ファクタリングが有効な債権売買であると見なされた判例も存在します。

平成27年5月21日に行われた裁判では同様に、ファクタリングを利用した企業がファクタリング会社を相手取り過払金(利息制限法を上回る部分の手数料)の返還を求めました。

しかしながら裁判では、ファクタリング契約書に「債権売買」という文字が記載されていることを理由に、原告側の訴えを棄却しています。

ファクタリングを全面的に合法とした訳ではありませんが、双方の合意のもとで債権売買が行われるのであればファクタリングは違法にはなりません。

④悪徳・詐欺ファクタリング会社が存在する

ファクタリングは法的にグレーな分野であり、利息制限法の影響を受けることなく手数料を設定することができます。

そのため悪徳会社・詐欺ファクタリング会社などが参入しやすいという実情があります。

もしも悪徳ファクタリング会社や詐欺会社を利用してしまうと、

不当に高い手数料を要求される
取引先にファクタリングをバラすと脅される
怪しい投資話を持ちかけられる

などの被害にあってしまうかもしれません。

また最も注意しなければいけないのが、ヤミ金業者の存在です。

ファクタリングを装ったヤミ金業者が逮捕された事例

過去にはファクタリングを装ったヤミ金が、逮捕されたという事例も存在します。

実際に、ファクタリングを装って違法な貸付を行なっていたとして、ヤミ金業者が逮捕されたという事例もあります。

金融取引装う「新型ヤミ金」が横行 標的は中小企業…警察・支援団体も対応本腰

企業の資金調達に用いる金融取引「ファクタリング」を悪用し、高額な手数料を徴収するヤミ金が横行している。実態は資金繰りに苦しむ中小企業に法外な高金利で貸し付ける手口で、ファクタリングの手数料に法的な制限がないことが背景にあるという。大阪府警は1月、貸金業法違反容疑で、ファクタリングを装ったヤミ金業者を全国で初めて摘発したが、業者の実態は不透明な部分が多く、被害の全容は判然としていないという。

(井上浩平)産経WEST 金融取引装う「新型ヤミ金」が横行

くれぐれもファクタリング会社を利用する場合には、信頼性・安全性を確かめる必要があります。

特に高い手数料を要求された場合や、契約書に債権売買と書かれていない、遡及義務(買い戻し)があると言われた場合には注意が必要です。