奨学金と併用できる公的融資とは?国の教育ローンを徹底解説します!!

奨学金と併用できる公的融資とは?国の教育ローンを徹底解説します!!

大学や専門学校に通うには多額のお金が必要です。

親の収入だけでは賄うことができないので、お子様に「奨学金を借りさせよう」としている親御さんも多いのではないでしょうか?

しかし、奨学金とは基本的に毎月の生活費を貸与するものですので、入学金や授業料などのまとまった支払いに奨学金だけでは対応することは難しいのが実情です。

そこで奨学金と併用することができる国の教育ローンについても理解しておきましょう。

国の教育ローンを利用することによって、入学金や授業料・受験費用・アパート代など様々な費用を賄うことが可能になります。

奨学金と併用できる公的融資、国の教育ローンについて詳しく解説していきます。

国の教育ローンとは?

国の教育ローンについて考える学生

国の教育ローンの主な概要は以下の通りです。

融資限度額(学生1人につき)(1) 自宅外通学(2) 修業年限5年以上の大学(昼間部)(3) 大学院(4) 海外留学(修業年限3ヵ月以上の外国教育施設に留学する場合)450万円
上記以外:350万円
金利(2020年11月現在)1.68%(固定金利・保証料別)母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得122万円)以内の方または子ども3人以上(注)の世帯かつ世帯年収500万円(所得346万円)以内の方は上記利率の▲0.4%
保証教育資金融資保証基金または連帯保証人
返済期間15年以内
(母子家庭、父子家庭、交通遺児家庭、世帯年収200万円以内の方 または子ども3人以上の世帯かつ世帯年収500万円(以内の方は18年以内)
返済方法元利均等返済子供が在学中は元金返済の据え置きも可能

金利や返済期間などは母子家庭等や低所得者世帯などの場合にはさらに優遇されることがあるので、詳しくは日本政策金融公庫へ確認してください。

国の教育ローンの特徴として以下の6点をあげることができます。

  1. 金利が低い
  2. 受験前でも申込可能
  3. 子供1人あたりに融資枠を設定できる
  4. 最長15年で返済できる
  5. 来店不要で契約も可能
  6. 対象になる資金使途の幅が広い

国の教育ローンが、民間金融機関の教育ローンなどと比較してどのような特徴があるのか、詳しく解説していきます。

①金利が低い

国の教育ローン最大の特徴が金利が1.68%と非常に低い点です。

国の教育ローンは国が出資した金融機関である日本政策金融公庫が提供する公的な融資です。

必ずしも利益目的に運営されている金融機関ではないため、非常に低い金利で融資を受けることができます。

民間金融機関の教育ローンの金利は2%を超えることも珍しくありません。

国の教育ローンの方が金利が低いので民間金融機関よりも低いコストで必要な資金調達を行うことができます。

②受験前でも申込可能

国の教育ローンは受験前であっても申し込むことが可能です。

大学や専門学校に合格した後は時間が意外にもないものです。

一般的には合格から数週間で入学金や初年度授業料を収めなければなりません。

また、引っ越しなどもあれば物理的に時間もありません。

受験を終え、合格した後に教育ローンに申し込みをしたとしても時間的に間に合わない可能性もありますが、国の教育ローンであれば受験前に申し込むことができるので余裕を持ってお金の準備をすることができます。

③子供1人あたりに融資枠を設定できる

国の教育ローン最大の特徴が、子供1人あたりに350万円もしくは450万円という融資枠を設定することができるという点です。

民間金融機関の教育ローンでは借主である親1人につき融資枠が設定されるため、例えば1番目の子供の学費で融資枠を使い切ってしまえば、2番目の子の学費を借りることができなくなってしまいます。

子供の数が多くても、子供の数に応じて融資を受けることができるという点が、国の教育ローンと民間金融機関の教育ローンの最大の特徴だと言えるでしょう。

④最長15年で返済できる

国の教育ローンの返済期間は最長15年です。

子供の在学中は利息のみの支払いで対応することができるので、子供が在学中で最もお金がかかる時期でも元金の返済金に追われることはありません。

子供が卒業し進学した後に、子供や親が時間をかけて無理なく返済していくことができる設計になっています。

返済期間が長いので、新社会人として給料が少ない人でも無理なく返済していくことができるでしょう。

⑤来店不要で契約も可能

国の教育ローンは、来店不要で契約することができるという特徴もあります。

日本政策金融公庫から事業資金を借りる場合には対面での審査が絶対必要条件です。

しかし、国の教育ローンは非対面での契約が可能なので、「忙しくて日本政策金融公庫や代理店金融機関へ行っている時間がない」という人でも余裕をもって契約することが可能です。

インターネットなどから申し込みを行い、審査通過後に契約書類などを郵送によってやり取りをするという流れになります。

⑥対象になる資金使途の幅が広い

国の教育ローンは融資の対象になる学校や使い道など資金使途の幅が広いというのも大きな特徴の1つです。

日本政策金融公庫の国の教育ローンで融資対象として認められる学校は以下の通りで、非常に幅広くなっています。

  1. 大学、大学院(法科大学院など専門職大学院を含む)、短期大学
  2. 専修学校、各種学校(予備校、デザイン学校など)
  3. 高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
  4. 外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校など
  5. その他職業能力開発校などの教育施設

民間金融機関の教育ローンは、大学、短大、専門学校しか資金使途として認められないものも多いですが、国の教育ローンは融資対象になる学校の幅が広く、外国の高校や職業訓練学校まで含まれます。

また、使い道も以下のように幅広くなっています。

  1. 学校納付金(入学金、授業料、施設設備費など)
  2. 受験にかかった費用(受験料、受験時の交通費・宿泊費など)
  3. 在学のため必要となる住居費用(アパート・マンションの敷金・家賃など)
  4. 教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費用、修学旅行費用、学生の国民年金保険料など

資金使途としてアパートの費用まで対象になるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

国の教育ローンは民間金融機関よりも幅広い用途に利用することができるので、子供の進学に伴い発生する様々な用途に利用することができます。

国の教育ローンの審査基準

国の教育ローンの審査基準のポイント解説

国の教育ローンには審査があり、審査に通過しなければ融資を受けることができません。

国の教育ローンは民間金融機関と比較して、審査が非常に特徴的です。

そのため、民間金融機関で融資を断られた人でもお金を借りることができる可能性が高いでしょう。

国の教育ローンの審査基準について詳しく解説していきます。

年収によって借入可否が決まっている

国の教育ローンの大きな特徴が年収によって「融資を受けることができるかどうか」が決まっているという点です。

これは、「年収〇〇万円以上ないと融資を受けられない」という話ではなく、「年収〇〇万円以下でないと融資を受けられない」という決まりで、具体的には子供の人数に応じ以下の年収以下でないと融資を受けることができません。

子供の人数世帯年収(所得)の上限額
1人790万円(590万円)
2人 890万円(680万円)
3人990万円(770万円)
4人1,090万円(870万円)
5人1,190万円(970万円)

通常であれば、年収が高ければ高いほど審査には有利になるものです。

しかし、国の教育ローンは年収が低い人ほど審査に通過することが容易になります。

民間金融機関では審査に通過しにくい低所得者ほど国の教育ローンでは借りやすくなるというのが大きな特徴です。

年収が高いほど借入が難しくなる

国の教育ローンは年収が高いほど借りにくいローンです。

国の教育ローンは上記の基準内に収まる年収の人しか借りることができません。

そのため、一定以上の年収の人は国の教育ローンに申し込むことすら不可能です。

通常、どのようなローンも申込者の年収が高ければ高いほど審査には有利になるものですが、国の教育ローンに関しては所得が高いと借りることができません。

この意味で、国の教育ローンは収入が低い人の味方となる頼もしい融資商品だということができるでしょう。

親の個人信用情報

国の教育ローンを融資している日本政策金融公庫は以下の3つの個人信用情報機関に加盟しています。

  1. 全国銀行個人信用情報センター
  2. CIC
  3. JICC

審査の際には、借主である親の個人信用情報を以下の個人信用情報機関へ照会します。

ここで、信用情報に金融事故情報が記録されていた場合には絶対に審査に通過することができません。

また、他社借入やクレジットカードカードの支払いに遅れが多い場合や、他社借入件数が3件以上などの場合には審査に通過することが難しくなります。

奨学金と国の教育ローンの違いについて

奨学金と国の教育ローンの違いについて解説するマスコットキャラ

奨学金と国の教育ローンはそれぞれの公的機関が融資する教育資金の貸付です。

しかし、両者は全く性質が異なるので、お金に余裕がないのであれば併用することで、お子様の学生生活は安定するでしょう。

奨学金と国の教育ローンの違いを理解して、適切に使い分けることが大切です。

国の教育ローンと奨学金の主な違いは以下の4つです。

  1. 融資方法が違う
  2. 借主が誰になるか
  3. 返済期間
  4. 審査基準

国の教育ローンと奨学金の違いを細かく理解しておきましょう。

①融資方法が違う

奨学金と日本政策金融公庫の国の教育ローンの最も大きな違いが融資方法です。

奨学金の融資方法は「毎月〜円」というように、毎月定額の振り込みを受けてお金を借りる方法になります。

そのため、奨学金は主に学生の生活費を補填するための融資制度です。

一方、国の教育ローンの融資方法は基本的に一括になります。

そのため、国の教育ローンは授業料や入学金など、まとまったお金を借りるのに利用することができるローンです。

融資方法が異なるので、お金を借りたい目的に合わせて適切に使い分けるとよいでしょう。

②借主が違う

国の教育ローンと奨学金の非常に大きな違いが「借主は誰になるのか」という点です。

国の教育ローンは親が借りる融資ですので、借主は学生の親になります。

奨学金は学生本人が借主となります。

学生本人がお金を借りて、将来的に学生自らが返済していくことが大前提になっているのが奨学金の大きな特徴です。

借主が違うと審査対象も違う

国の教育ローンと奨学金は借主が親と学生という違いがありますが、この違いは審査の違いにもなります。

審査では借主が審査されるためです。

国の教育ローンでは親が審査されるので、親の個人信用情報に問題があるような場合には審査に通過できないこともあります。

一方、奨学金の借主は学生です。

そのため、審査対象は学生本人ということになりますが、そもそも社会人ではない学生本人に対して大人と同じような審査はできません。

したがって、審査では「親の世帯年収が基準内か」「学生の成績は基準以上か」などの条件に合致しているかどうかを確認するのが審査になります。

条件に合致していれば誰でも審査に通過することができるので、奨学金の方が資金調達の確実性は高いと言えるでしょう。

③返済期間が違う

日本政策金融公庫の国の教育ローンと、奨学金では返済期間も異なります。

国の教育ローンの返済期間は15年ですが、奨学金の返済期間は借入額に基づいたあらかじめ決められている毎月返済額によって決定します。

奨学金の返済金は貸与総額(借用金額)に応じて決められており、例えば900,001円~1,100,000円の年間返済金は90,000円となるので、10年〜13年程度の返済期間です。

このように、奨学金の返済期間は貸与総額に応じて異なるものになるので、借入額が大きくなればなるほど返済期間は長くなってしまいます。

国の教育ローンは返済期間ベースで借入額を決定することができますが、奨学金は借入額ベースで返済期間が決定するという違いがあります。

国の教育ローンではどんなに多額に借りても15年以内では返済しなければならないので返済額が大きくなりますが、奨学金では高額の借入をした場合には返済期間が長くなるので毎月の返済額はそれほど大きくならないという点が特徴です。

④審査基準が違う

国の教育ローンと奨学金は審査基準が異なります。

国の教育ローンの審査基準は親を審査対象として、親に信用がなければ借りることができません。

一方、奨学金の審査対象は子供になるので、条件さえ満たしていれば親が信用情報ブラックだったとしても借りることが可能です。

なお、双方ともに親の年収が一定以下でないと借りることができないというのは共通しています。

まとめ

国の教育ローンと奨学金は併用することができます。

同じく公的な融資ですが、両者には以下のような違いがあります。

  1. 融資方法
  2. 借主
  3. 返済期間
  4. 審査基準

親名義で一括で借りることができる国の教育ローンは入学金や授業料などの支払いに適しており、学生名義で分割融資の奨学金は学生本人の生活費を補填することに適しているので、それぞれ使い分けをすることが可能です。

併用することもできますので、将来的な返済計画を十分に立てた上で無理のない範囲でお子様の教育資金を調達するようにしましょう。