日本政策金融公庫(国金)に個人事業主が審査に通過するポイントを徹底解説!!

個人事業主のビジネスマンが国金の審査に通過した様子

日本政策金融公庫のことを「国金」という人を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
以前は、日本政策金融公庫は国民生活金融公庫と呼ばれ「国金」の愛称で親しまれていました。

国金からは個人事業主も事業に必要なお金を借りることができます。

日本政策金融公庫(国金)からお金を借りる方法や、個人事業主が審査に通過するためのコツなどについて詳しく解説していきます。

日本政策金融公庫(国金)は個人事業主などの小規模事業者にとって非常に貴重な資金調達先です。

審査のポイントについて一通り頭に入れておきましょう。

国金で個人事業主が借りれる融資制度とは!?

国金の融資制度を考える個人事業主の女性

日本政策金融公庫(国金)から個人事業主は様々な融資を借りることができます。

個人事業主が借りることができるものとして以下の4つの融資を挙げることができます。

  1. 新規開業資金
  2. 運転資金
  3. 設備資金
  4. コロナ等の災害関連資金

それぞれの融資制度について詳しく見ていきましょう。

①新規開業資金

日本政策金融公庫(国金)は新規開業者に対して開業資金の融資も積極的に行っています。

融資条件は以下の通りです。

融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
金利1.41%〜2.05%(2020年10月現在)
返済期間設備資金:20年以内<うち据置期間2年以内>
運転資金:7年以内<うち据置期間2年以内>

このように、日本政策金融公庫は何も実績のない起業家に対して低金利で新規開業資金を融資しています。

②運転資金

日本政策金融公庫(国金)は個人事業主への運転資金融資も積極的に行っています。

運転資金融資は様々な融資制度で取り扱っていますが、例えば一般貸付では以下のような条件で運転資金融資を受けることができます。

融資限度額4,800万円
金利2.06%~2.45%(2020年10月現在)
返済期間設備資金:10年以内<うち据置期間2年以内>
運転資金:5年以内<うち据置期間1年以内>

この他、売上が一定程度減っていればセーフティネット貸付などの金利面で優遇された融資を受けることも可能です。

運転資金に関しては融資を受けることができる方法がいくつもあるのでまずは日本政策金融公庫へ相談してみましょう。

③設備資金

日本政策金融公庫(国金)では、建物、車両、機械設備などの資産を購入するための資金である設備資金の融資を行なっています。

設備資金も融資を受ける方法はいくつもあります。例えば事業承継に伴い導入する設備の資金を借りるための資金は以下の通りです。

融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
金利1.41%〜2.45%(2020年10月現在)
返済期間設備資金:20年以内<うち据置期間2年以内>
運転資金:7年以内<うち据置期間2年以内>

やはり設備資金も個人事業主などの小規模事業者が借りることができる制度は多数存在します。

まずは、設備の見積書や決算書を持参して日本政策金融公庫(国金)の窓口へ相談してみるとよいでしょう。

④コロナ等の災害関連資金

新型コロナウイルス感染拡大や災害時などは、公的な金融機関である日本政策金融公庫(国金)は、災害や感染に対応した専用の融資を用意して資金面から個人事業主などの小規模事業者の補助を行なっています。

例えばコロナ関連で売上が減少した事業者向けの融資制度は以下のような内容となっています。

融資限度額8,000万円
金利0.36%〜0.75%(2020年10月現在)
返済期間設備資金:20年以内<うち据置期間5年以内>
運転資金:15年以内<うち据置期間5年以内>

コロナ対策の資金は据置期間が長いという特徴があります。

長い時間をかけて元金を返済せずに経営再建を図ることが可能です。

なお、コロナ関連の融資は売上が一定程度下落した事業者は利息が無料になります。

国金の個人事業主への審査基準とは?

国金の融資制度の審査基準を考えるイラスト

日本政策金融公庫(国金)の個人事業主への審査基準は公表されていませんが、基本的に以下の点が重視されることになります。

  1. 確定申告書の利益の推移
  2. 資金繰り
  3. 事業計画
  4. 資金使途

個人事業主が日本政策金融公庫(国金)からお金を借りる際の4つのポイントを詳しく解説していきます。

①確定申告書の利益の推移

日本政策金融公庫(国金)へ融資を申し込む際には確定申告書3年分を提出するのが一般的です。

これは確定申告書の利益の推移が審査されるためです。

審査で重視されるのは所得の安定性で、例えば1年だけ多くの利益を出して、その前の2年間は赤字というケースでは審査通過が難しくなります。

それよりも毎年安定的に利益を計上できている個人事業主の方が日本政策金融公庫(国金)の評価は高くなります。

借入金は今後数年間の長期間かけて返済するものであるため、安定した利益を計上し「今後数年間は安定して返済して行くことができるだろう」と判断できないと返済が危ぶまれてしまうためです。

できれば3年程度は安定した利益を出している個人事業主の方が日本政策金融公庫(国金)の審査には通過しやすくなります。

②資金繰り

日本政策金融公庫(国金)の審査では個人事業主の資金繰りも非常に重視されます。

資金繰り表を作成し、返済開始から完済まで、問題なく返済することができる資金繰り表を提出することができなければ審査通過は難しくなります。

絵に描いた餅の資金繰り表では意味がありませんが、根拠がはっきりとした資金繰り表で「返済に問題ない」と判断されれば審査通過の可能性が高くなります。

「契約済の〇〇社からの代金が入金になるので、11月は〇〇万円入金になる」というような、資金繰りに具体的な根拠をつけた上で、返済には問題ない資金繰り表を作成しましょう。

③事業計画

創業前、創業後に関わらず日本政策金融公庫(国金)からお金を借りるためには事業計画書の策定が必要になります。

事業計画書とは今後数年間どのような売上と利益の計画を立てるのかというものです。

やはりこちらも絵に描いた餅ではなく、「前年比+10%の販売計画を立てており、営業体制も目標に向けて強化する。その結果売上高+10%、利益+10%になる見込み」というような具体的な計画である必要があります。

また、長期的には会社はどの程度の規模になりたいのか、事業を通じてどんな貢献を社会に対してしたいのか、などといったことも非常に重要になります。

④資金使途

日本政策金融公庫(国金)は必要資金しか融資を行いません。

そのため、申し込んだ資金の使途が当該企業に必要なものかどうか、金額がその企業の規模に見合ったものかどうかという点が審査で非常に重視されます。

例えば「運転資金」という名目で申し込みを行いながら、その事業者の1年分の経費を超えるような金額だった場合には「こんなに必要ないだろう」という判断になり、審査に落ちてしまうことがあります。

融資金が当該企業にとって必要なものかどうかという点は審査でかなり重視されます。

審査に通過するためには、だれが聞いても納得できるように「何のために」「いくら必要なのか」という点を明確に説明できるようにしておきましょう。

個人事業主が国金の審査に落ちる原因

個人事業主が国金の審査に落ちて悩んでいるイメージ

個人事業主が日本政策金融公庫(国金)の審査に落ちてしまう原因として以下の3点を挙げることができます。

  1. 資金使途が不明瞭
  2. 赤字が続いている
  3. 償還財源がない

個人事業主が国金の審査に落ちる3つの原因を詳しく解説していきます。

①資金使途が不明瞭

資金使途が不明瞭で「何にこれだけのお金を使うのか分からない」という場合には、審査に落ちてしまうことがあります。

日本政策金融公庫(国金)や銀行はいくら返済能力の高い人でも、その企業にとって必要もないお金を融資することはありません。

ましてや、個人事業主は事業と生活が一体化しているため、事業に必要だと判断できないような使い道に対してまで融資をしてしまうと、そのお金が生活費に回ってしまう懸念も排除できません。

そのため、日本政策金融公庫(国金)が「本当にこのお金が事業に必要だ」と判断できる金額のみ融資を受けることが可能です。

②赤字が続いている

赤字が続いている個人事業主も融資を受けることは難しくなります。

赤字が続いているということは、その赤字を単に借金によって埋めているだけの状態で、どこかのタイミングで借入金がストップしたら資金ショートを起こしてしまいます。

赤字=必ず審査に通過できないというわけではありませんが、赤字を解消できる見込みがない場合には融資を受けることは難しいでしょう。

個人事業主の多くが節税のため利益を圧縮して赤字にしていることも多いですが、これを行なってしまうと日本政策金融公庫(国金)からお金を借りることが著しく困難になってしまうので注意してください。

③償還財源がない

返済するための償還財源がないという場合にも日本政策金融公庫(国金)からお金を借りることは困難です。

日本政策金融公庫(国金)にとって「貸したお金が返済されるかどうか」というのは融資を受けるにあたって最大の問題です。

そのため、確定申告書の所得から生活費を控除した金額が年間返済額を超えていなければ融資を受けることは難しくなってしまう可能性があります。

やはり、個人事業主は節税のために所得を少なくする傾向がありますが、償還財源程度の所得になるように確定申告を行わないといざという時に融資を受けることが難しくなってしまうので注意しましょう。

国金の審査に通過するためには?

国金の審査に疑問の様子

日本政策金融公庫(国金)の審査に個人事業主が通過するためには、いくつかポイントがあり、主なものとして以下の3つが挙げられます。

  1. 必要最小限の金額に申し込む
  2. マル経融資を利用する
  3. 償還財源を確保する

審査に通過するためには、申込時に工夫をすることや、審査に通過しやすい確定申告書を作成することが大切です。詳しく解説していきます。

①必要最小限の金額に申し込む

日本政策金融公庫(国金)には、必要最小限の金額に申し込んだ方がよいでしょう。

前述したように日本政策金融公庫(国金)は必要もない金額を貸すことはありませんし、お金を貸す側からすると、少ない金額の方がリスクが低いため審査には通過しやすくなります。

本当に必要な最小限の金額だけの申し込みとして、不必要な金額まで申し込むことがないようにしましょう。

②マル経融資を利用する

マル経融資という商工会議所と日本政策金融公庫が連携して行う融資であれば借入ができる可能性が非常に高くなります。

マル経融資とは、商工会議所の経営指導員による経営指導を一定期間受けた事業者が、商工会議所の推薦を受けて日本政策金融公庫からお金を借りる方法になります。

経営指導さえ受ければある程度の企業であればかなり高い確率で融資を受けることができます。

また、経営指導といっても堅苦しく難しいものではなく、定期的に会社へ訪問してくる経営指導員と業況の話をする程度です。

これだけで融資を受けることができる可能性は非常に高くなるので積極的に融資制度を利用するとよいでしょう。

③償還財源を確保する

個人事業主の中には節税のために所得を非常に小さくしている人が多数存在しますが、返済できる程度の所得は残して申告するようにしましゃう。

償還財源をしっかりと確保しておくことで融資に通過できる可能性は大幅に高まります。

どこからどのように返済することができるのかということを明確に説明することができるようにしておきましょう。

まとめ

日本政策金融公庫(国金)は個人事業主や中小企業などの小規模事業者に対して様々な融資を取り扱っています。

日本政策金融公庫(国金)の審査に通過するためには、所得をしっかりと計上できていることに加えて、償還財源があること、必要資金であることなどが求められます。

これらの点を満たしていれば審査に通過することはそこまで難しいことではありません。

低金利で融資を受けることができるので、お金が必要になったらまずは気軽に相談してみましょう。