ハウスリースバックでよくある5つのトラブルに注意!!トラブルを未然に防ぐ方法と解決方法を解説します。

ハウスリースバックは高齢の方や、信用情報に問題がある方でも自宅さえ所有していればまとまったお金を手に入れることができる方法です。
自宅を売却し、売却後は賃料を支払うことで引き続き自宅に住み続けることが可能ですが、ハウスリースバックにはトラブルが多いことも事実です。
ハウスリースバックにはどのようなトラブルがあるのか、よくあるトラブル例5つと、それぞれの解決方法について詳しく解説していきます。
トラブル①家賃が高すぎて払えない


不動産会社から提示された家賃が周辺相場や間取りなどから考えて明らかに高すぎる場合には家賃の支払いが困難になってしまいます。
なぜ、家賃が高く設定されてしまうのか、その原因と解決策について詳しく解説していきます。
利回りありきで家賃が決定するので家賃支払いに困窮する
ハウスリースバックの家賃は利回りありきで決定します。
不動産会社は買い取った自宅の家賃を利回りが7%〜12%程度になるように設定しているので、周辺相場などにより結果として家賃は高くなってしまうことがあります。
例えば2000万円の買取価格に利回り10%を想定している場合には、年間家賃は200万円、毎月の家賃は約16.7万円です。
例えば、周辺の家賃相場が10万円程度であれば、この家賃は明らかに高いことになります。
自宅の売主とすれば周辺相場から「家賃は〇〇円くらい」と想定している人も存在します。
しかし、利回りの都合上「想定しているよりも家賃が高くなってしまう」というトラブルがまずここで発生する可能性があります。
周辺相場より高くなるので家賃支払が困難になる
周辺相場よりも家賃が高くなってしまうので、ハウスリースバックで借りた家の家賃を支払うことができないという可能性もあります。
周辺相場よりも高いということは、地域の所得水準と比較して家賃設定が高いということであり、所得から見て家賃が高すぎてしまう可能性があるためです。
このため「家賃が払えない」というトラブルになってしまう可能性があります。
複数業者からの見積りで家賃が安い業者を選ぶ
複数の業者から見積もりをとって、家賃が安い業者を選択するようにしましょう。
ハウスリースバックで家賃を決定する利回りは7%〜12%程度とかなり幅があります。
つまり利回りを低く設定する業者と取引を行えば家賃は安くなるということです。
不動産会社によって利回りは異なりますので、複数の業者から見積もりをとり、家賃の低い業者を選択するようにしましょう。
トラブル②業者に普通の売却を勧められた


業者にハウスリースバックだけではなく、普通の売却を勧められるというケースもトラブルになることが多いパターンです。
利用者は自宅に住み続けたくてリースバックを選択しているにも関わらず、不動産会社から普通の売却を提案されたことによって「話が違う」と感情的になってしまう人も少なくありません。
なぜ、リースバック業者が普通の売却を勧めるのでしょうか?理由と解決策を見ていきましょう。
提示された家賃を払えないと売却を勧められる
ハウスリースバックの見積もりをとり、不動産会社から提示された家賃の支払いに対して難色を示すと、ハウスリースバックではなく普通の売却を勧められることもあります。
不動産会社はハウスリースバックだけを行なっているわけではないので、家賃を払うことができないのであれば通常の売却を勧められるのは当然と言えば当然です。
しかし申込者とすれば「こんなに家賃が高いなんて聞いていない」と、トラブルになってしまう可能性があります。
複数業者から相見積をとる
トラブルを回避するためには、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
家賃設定は不動産会社によって異なるので業者によっては支払うことができるだけの家賃を提示してくる可能性があります。
複数の業者から見積もりをとって、無理のない家賃でハウスリースバック契約をしましょう。
それと、利回りの都合上、売却価格が高すぎると家賃も高くなってしまうことが多いので注意しましょう。
トラブル③不動産業者から退去を求められ住み続けることができない


リースバック契約締結後に不動産業者から退去を求められて住み続けることができないというケースもトラブルの原因です。
これは賃貸借契約の形に起因したトラブルで、リースバックでは非常によくあるトラブルです。
事前に賃貸借契約の形を確認するとともに、急に退去を求められにくい方法をご紹介していきます。
定期賃貸借の場合は住み続けることができない
私たちが普段賃貸住宅を契約する時の賃貸借契約は退去を要求する正当な理由がない限りは住み続けることができます。
しかし、ハウスリースバックでの賃貸借契約は「定期賃貸借契約」であることが一般的です。
定期賃貸借契約とは、契約期間を定めその期間が経過後は原則として契約の更新ができないという貸主有利の契約で、ハウスリースバックの場合は2年から3年程度の定期賃貸借契約を締結することが多くなっています。
例え家賃を期日通りに払っていたとしても、定期賃貸借契約の場合には貸主から「出て行け」と言われたら無条件に退去しなければなりません。
継続して住み続けるためには双方合意の上で再契約するしかありませんが、以下のような場合には期日通りに家賃を支払っているのに退去を命じられる可能性があります。
- 不動産業者の業績悪化
- 不動産業者の倒産
- 業者の都合で物件を売却した
これらのケースでは、契約を更新してもらえずに退去せざるを得なくなり、トラブルになってしまうことがあります。
大手企業のリースバックを利用する
定期賃貸借契約の場合、更新を前提とした契約ではないので、契約が満了した時に、所有者が出てけと行ったら、原則として出ていかなければなりません。
借り手からすれば理不尽と言えば理不尽ですが、このような借り手の都合を考えない対応をするのは一般的に中小規模の不動産会社であることが多いようです。
中小規模の不動産会社は経営基盤が弱いので不動産を売却したり倒産してしまう可能性が高いためです。
一方、資金力が充実している大手企業の方が倒産のリスクが低く、コンプライアンスや評判を重視するため比較的顧客本位で対応してくれるケースが多くなっています。
定期賃貸借によって契約が突然切られるなどのトラブルを回避するため、大手の不動産会社とハウスリースバックを契約した方がよいでしょう。
トラブル④予定通りに買戻しができなくなった


リースバックを利用する人の多くが「将来的には自宅を買い戻す」と考えてリースバックを利用しています。
しかし、いざ買い戻そうと考えた時に予定通りに買い戻すことができないこともあります。
この原因は買い戻し価格がそもそも高すぎることが原因です。対処法とともに詳しく解説していきます。
買い戻し価格が高すぎる
ハウスリースバックの買い戻し価格の相場は売却価格の1.1倍~1.3倍程度となっており、売却価格よりも多くの金額を用意しなければなりません。
しかし、ハウスリースバックでは相場よりも高い家賃を払わなければならないことも多いため、なかなか貯金をすることができません。
住宅ローンを利用する場合にも「借入時の年齢が高齢になっている」「中古住宅であるため担保評価額が足りない」という理由によって、住宅ローンを利用した上での買い戻しは難しいのが現状です。
ハウスリースバック利用者からすれば、買い戻すつもりでリースバックに申し込んだにも関わらず、買い戻しができないためにトラブルになってしまうケースも少なくありません。
買い戻し価格が安い業者を見つける
買い戻しを検討する場合には、ハウスリースバック契約時に買い戻し価格を安く設定してくれる業者と契約する必要があります。
買い戻し価格は業者によって異なるので、やはり複数の業者から見積もりを取り、最も有利な価格で買い戻すことができる業者と取引すべきでしょう。
トラブル⑤相続人との間でトラブルが発生


不動産の売主の親族や相続人との間でリースバックをしたことによってトラブルになってしまうことがあります。
これは、「リースバックは所有者1人の同意で手続きすることができる」という点が原因です。
相続人とリースバックでトラブルになる原因と対処法について解説していきます。
親族がリースバックの利用を知らない
リースバックは不動産の所有者の同意だけで利用することが可能です。
リバースモーゲージは高齢者専用のローンですので、相続人予定者の同意が必要になりますが、リースバックは高齢者の利用を前提としていたものではありません。
そして、そのまま自宅に住み続けているのですから、外形からはリースバックを利用したことを親族に秘密にできます。
相続などのタイミングでリースバックによって不動産を売却してしまったことが相続人予定者に知られてしまった場合には、相続人にとっては予定していた財産が失われてしまったことになるので、大きなトラブルになってしまうことがあります。
子供や親族にもリースバックの情報を共有する
このようなトラブルを防ぐためには、子供や親族などにリースバックを利用することを伝え、同意を得ておくしかありません。
リースバックを利用する前に伝えるのがベストですが、最悪のケースとして事後報告でもよいのでリースバックを利用したということはしっかりと伝えておくようにしてください。
「あると思っていたものが無かった」というのが最もトラブルになるので、できるだけ早く伝えるようにしましょう。
まとめ
ハウスリースバックには以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 家賃が高すぎて払えない
- 業者に普通の売却を勧められた
- 不動産業者から退去を求められ住み続けることができない
- 予定通りに買戻しができなくなった
- 相続人との間でトラブルが発生
このようなトラブルを回避するために、複数の業者から見積もりをとり、できれば大手の業者と取引するようにしましょう。
なお、相続人とのトラブルにならないよう、ハウスリースバックを利用したことは親族やこ子供と共有しておくようにしてください。