不動産担保ローンを活用した資金調達のメリットとデメリットを詳しく解説します!

高額な資金を調達する方法として、不動産担保ローンという方法を活用することができます。
不動産担保ローンとは、その名の通り不動産を担保とするローンですが、メリットとデメリットがかなりはっきりと別れているので、ただ「お金を借りることができればいい」という姿勢ではなく、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で申し込みをする必要があります。
また、申し込む金融機関によって商品性がかなり異なるので、自分に見合った不動産担保ローンを選択することも重要です。
不動産担保ローンのメリット・デメリットと、不動産担保ローンの選び方について詳しく解説していきます。
自分にとって最適な不動産担保ローンを借りることができるようになりましょう。
不動産担保ローンでは低金利かつ高額融資が可能?無担保ローンにはないメリットを4つ解説します!


不動産担保ローンを使った資金調達には無担保ローンにはない、以下のような4つのメリットがあります。
- 本人に信用がなくても資金調達できる
- 高額融資が可能
- 総量規制対象外
- 無担保ローンよりも金利が低い
不動産担保ローンを利用した資金調達方法の4つのメリットについて詳しく解説していきます。
1,本人に信用がなくても資金調達できる
不動産担保ローンは本人に信用がなくても資金調達することができるのが大きな特徴です。
不動産担保ローンは、もしも返済することができなかった場合に、不動産を差し押さえて回収を行います。
また、融資額も不動産評価額の50%程度までしか融資を行わないので金融機関側も回収可能性が高いローンだといえます。
そのため、本人に信用がなくても「確実に回収することができる」と金融機関が判断できるような不動産さえあれば融資を受けることができる可能性は高いでしょう。
ノンバンクの中には信用情報がブラックでも借りることができる不動産担保ローンも存在します。
無担保ローンではブラックは絶対に借りることができませんが、不動産担保ローンではブラックの人でも借入の可能性があるという点は無担保ローンと比較した場合のメリットだと言えます。
2,高額融資が可能
不動産担保ローンは高額の融資ができるという特徴もあります。
不動産担保ローンは、担保となる不動産の評価額の50%程度までは融資するため、収入の低い人でも評価額が高い不動産を所有し、担保にすることができれば高額の融資を受けることができます。
無担保ローンでは本人の収入や個人信用情報などから判断される本人の信用に見合った金額しか借りることができません。
そのため、収入の低い人は少ない金額の融資しか受けることができません。
不動産担保ローンの融資額は担保不動産の評価額に左右されるので、収入の低い人でも高額の借入ができる場合があります。
「収入が低いけど、高額の資金調達をしたい」という場合には、不動産担保ローンを活用することができます。
3,総量規制対象外
不動産担保ローンは総量規制対象外という特徴もあります。
総量規制の対象にはならないので、年収の3分の1を超える借入も可能です。
総量規制とは、貸金業者からの借入額の合計を年収の3分の1以下としなければならないという決まりですが、総量規制の対象になるのは、使い道が自由な無担保ローンに限られます。
不動産担保ローンは、その名の通り不動産を担保にしているため、総量規制の対象になる貸付には該当しません。
すでに消費者金融などからの借入が年収の3分の1に達しており、総量規制の枠を使い切ってしまっている人も、担保に入れることができる不動産さえ保有していれば不動産担保ローンによって借入をすることも可能です。
4,無担保ローンよりも金利が低い
不動産担保ローンは、一般的に無担保ローンよりも金利が低くなる傾向があります。
不動産担保ローンの金利は10%前後程度というのが一般的で、中には5%程度の金利が適用される商品も存在します。
カードローンの金利が14%〜18%程度であることを鑑みると、不動産担保ローンは同じように「使い道自由なローン」としては金利が低いと言えるでしょう。
不動産担保ローンはもしも借入金が返済されなかった場合には、担保になっている不動産に対して抵当権を行使することによって回収可能性が非常に高いローンです。
債権者側のリスクが低いので、不動産担保ローンは無担保ローンと比較して金利が低く設定されます。
「使い道自由な借入金を低い金利で調達したい」という場合には、カードローンよりも不動産担保ローンが向いていると言えるでしょう。
不動産担保ローンを活用した資金調達方法のデメリットを4つご紹介します!


不動産担保ローンを使った資金調達方法には無担保ローンと比較して多数のメリットがあることが分かりましたが、不動産担保ローンにはデメリットがないわけではありません。
主なデメリットとして、以下の4点をあげることができます。
- 登記費用がかかる
- 利息負担が大きい
- 返済できない場合のリスクが大きい
- 融資までに時間がかかる
不動産担保ローンの4つのデメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。
1,登記費用がかかる
不動産担保ローンは融資の際に不動産に抵当権を設定します。
抵当権設定登記には費用がかかり、この費用は借主側で負担しなければなりません。
登記費用は以下の2つの費用に分かれます。
- 登録免許税:借入金額の1000分の4
- 司法書士の報酬:3万円〜8万円程度
例えば、不動産担保ローンを1,000万円借りる場合には、登録免許税として40,000円
と、司法書士報酬が3万円〜8万円程度必要になります。
つまり、登記費用として10万円前後のお金が必要になることになり、これは無担保ローンでは発生しないコストです。
担保を設定するからこそ必要になるコストがかかってしまうという点は不動産担保ローンの大きなデメリットだと言えるでしょう。
2,利息負担が大きい
不動産担保ローンは借入額が大きくなり、返済期間も長期間に渡ることが多いローンです。
そのため、いくら無担保ローンよりも金利が低かったとしても利息負担を馬鹿にすることはできません。
1,000万円の不動産担保ローンを金利5%で借りて15年間で返済した場合の利息負担額の合計は、4,234,183円にもなります。
金利が大きくなればさらに高額の負担になってしまうので、できる限り金利が低いローンを借りるのと同時に、お金に余裕がある時にはこまめに繰り上げ返済を行なっていくようにしましょう。
3,返済できない場合のリスクが大きい
不動産担保ローンは返済できない場合のリスクが非常に大きいというデメリットも理解しておく必要があります。
もしも返済できない場合には、担保になっている不動産に対して抵当権が行使され、競売にかけられてしまいます。
いわゆる「不動産が差し押さえられる」ことになってしまうので、もしも自宅を担保にしていた場合には居住する家を失ってしまうことになります。
不動産担保ローンは自分の不動産でなくても、親族が保有する不動産であれば担保として利用することができるのが一般的ですし、ノンバンクの中には他人の不動産も担保として利用することができるローンもあります。
この場合には、不動産を所有している親戚や他人に対して非常に大きな迷惑がかかってしまうことになるので、返済できない場合のリスクをしっかりと認識し、必ず返済には遅れないようにしましょう。
4,融資までに時間がかかる
不動産担保ローンは融資までに時間がかかってしまうというデメリットもあります。
不動産担保ローンの審査では、担保になる不動産の評価を行わなければなりません。
不動産の評価は審査担当者が不動産の現地まで足を運ぶことが一般的ですので、どうしても審査に時間がかかってしまいます。
申し込みから融資まで、早くても1週間程度の時間がかかってしまうので、カードローンのように申込日当日に融資を受けることができる即日融資のようなわけにはいきません。
「とにかく急いでお金が必要」という場合には、不動産担保ローンを活用することは難しいでしょう。
不動産担保ローンはどうを選べば良いか?3つのポイントに分けて解説します!


不動産担保ローンは銀行や消費者金融はじめとして数多くの金融機関で取り扱っています。
「どこで申し込みをしたらいいか分からない」という人も多いのではないでしょうか?
不動産担保ローンの選び方は主に以下の3つの点がポイントとなります。
- 金利ができる限り低い不動産担保ローン
- 保有している不動産でも対応できる不動産担保ローン
- 安全な業者であること
不動産担保ローンの選び方、3つのポイントについて詳しく解説していきます。
1,金利ができる限り低い不動産担保ローン
不動産担保ローンは金利で選ぶことが非常に重要です。
借入金額が高額で返済期間が長くなる不動産担保ローンでは、少しの金利差が大きな利息負担の違いを生むことになります。
例えば、借入金1,000万円、返済期間15年の不動産担保ローンは金利のよって利息負担額は以下のように大きく異なります。
- 金利5%:4,234,183円
- 金利10%:9,342,804円
- 金利15%:15,192,603円
このように、金利が10%異なると、利息負担だけで1,000万円以上の差が生じてしまうことになります。
「審査に通過できれば金利は気にしない」という人も少なくありませんが、できる限り金利の低いローンを選択しないと、借入元金以上の利息を支払わなければならない可能性が高くなってしまいます。
不動産担保ローンの申し込みをする前には、様々な金融機関の金利を比較して、最も金利が低い不動産担保ローンへまずは申し込みをするのがよいでしょう。
2,保有している不動産でも対応できる不動産担保ローン
自分が所有している不動産でも担保として取り扱うことができるかどうかということも、不動産担保ローンの選択基準として重要です。
不動産担保ローンで担保として利用することができる不動産には金融機関によって以下の2つで大きな違いがあります。
- 自分や親族以外の不動産も担保利用できるかどうか
- 首都圏以外の不動産でも担保利用できるかどうか
不動産担保ローンで担保として利用することができる不動産は、本人もしくは三親等以内の親族のものに限るとされている場合が一般的です。
そのため、本人や親族が不動産を所有していなかったら、ほとんどの金融機関で不動産担保ローンを借りることはできません。
しかし一部の金融機関では、他人の不動産でも本人の同意を得ることができれば不動産担保ローンを借りることができる場合もあります。
もしも親しい友人が「自分の持っている不動産を担保利用してよい」というなど、他人の不動産を担保利用できる場合には、他人の不動産でも不動産担保ローンを利用することができる金融機関へ申し込みを行いましょう。
また、ほとんどの金融機関で流動性が高い首都圏の不動産しか、不動産担保ローンで担保利用することはできません。
ただし、一部の金融機関では地方の不動産でも担保として利用することができますので、地方にしか不動産を所有していない場合には、地方の不動産でも不動産担保ローンを利用することができるかどうかという視点で、申し込む不動産担保ローンを選択するようにしましょう。
3,安全な業者であること
不動産担保ローンを選ぶ上で最も重要な点が「借りようとしている業者が安全な業者かどうか」という点です。
不動産担保ローンは、銀行も取り扱っていますが、ノンバンクの取り扱いも非常に多くなっています。
このような業者の中には、利息制限法を破った違法な高金利を設定したり、繰上返済の際に高額な違約金を要求するような悪徳業者も存在しますし、合法業者の皮をかぶった闇金のケースもあります。
闇金からお金を借りてしまったら大変ですので、借りようとしている業者が国や都道府県に登録を行なっている合法の業者かどうかという確認をするようにしましょう。
登録貸金業者は金融庁ホームページの「登録貸金業者検索サービス」で簡単に調べることができますので、知名度の低い業者からの借入を検討している場合には、必ず申込前に当該業者が登録貸金業者かどうかの確認をするようにしましょう。
まとめ
不動産担保ローンのメリットとしては
- 本人に信用がなくても資金調達できる
- 高額融資が可能
- 総量規制対象外
- 無担保ローンよりも金利が低い
という4点をあげることができますが、登記費用や利息などのコストが発生し、融資までに時間がかかる点などがデメリットです。
不動産担保ローンを借りる業者を選ぶ際には、
・金利ができる限り低い不動産担保ローン
・保有している不動産でも対応できる不動産担保ローン
・安全な業者であること
という3つの視点を重視するのがよいでしょう。